第32回学校社会学研究会(京都)

9月6日(土曜日)と7日(日曜日)、京都府立大学を会場に、32回学校社会学研究会が開かれた。いい発表が多く、充実した2日間であった。
 発表から次のような知識を得たり、示唆を受けたりした。
① 学校で、旧ニューカマーが新ニューカマーの「通訳者」としての役割を果たし、自分に自信をつけている。
② 教職志望の学生を定時制高校の見学に連れていき、学校(高校)の多様性を実地でわからせる。
③ コンピテンシーの育成を目標とする教育課程改革は世界的潮流になっている。それは、「基礎的リテラシー」「認知的スキル」「社会的スキル」の3つを含み、単なる知識だけではなく、活用する知識やスキルである。
④ 教職員対学生という役割関係ではなく、個人対個人の対等な「対話」が今大学に求められている。
⑤  大学の授業改善に、大学外のNPO(たとえば、「おしゃべり場」)の力を借りるのが有効である。
⑥  大学は「最高学府」というよりは、「最終学府」である。つまりこれまで小中高校で学んでこなかったことを学ばせ(リメディアル教育)、社会に送り込む「責任」がある。
 京都の食事やお寺も満喫した。

全国学力テストの学校別平均点について

全国学力テストの結果(都道府県別平均点)が公表され、学校別の平均点の公表も各都道府県教育委員に任されているとのことだが、学校別の平均点のことでは気になることがある。
何かの事情で(たとえば、外国籍や不登校児、特別支援を要する児童・生徒)点数の低い子がいるかどうかで、平均点はかなり違ってくる。
大規模校ではさほど影響されないが、小規模校では、大きな影響がある(子どもの人口減で、小規模校は増えている)。

昨日訪問した小学校でも、校長先生から同様の疑問が提示されていた。
たとえば、学力検査対象の小学6年生30名の国語(A)の平均が75.9点(千葉県の平均)だとする。それに試験の数日前に日本語のまったくわからない外国籍の子どもが入ってきて試験を受け、その点(0点)を加えると、75.9×30÷31=73.5と、平均点が2.4点も下がってしまう。これが二人いると75.9×30÷32=71.2と4.7点も下がってしまう。

このようなことが教育現場では日常的起きていることであるという。
このような教育現場の実情を文部科学省や各都道府県教育員会、(知事を含む)は把握しているのであろうか。

ジブリ映画(最新作)を見る

今日(5日)は、海浜地区の小学校での半日学校参観(敬愛大学、1年生)付き添いの後、時間が空いたので、海浜幕張駅前の映画館で、話題の映画「思い出のマーニー」(ジブリ・米林宏昌監督)を見た。
https://www.youtube.com/watch?v=lO79qkKDUNY(予告編)

平日の午後2時半からということもあったが、広い映画館に観客は私を含め9名。
米林監督の前回ジブリ作品「借り暮らしのアリエッティ」は好印象だったので期待したが、少し残念な感想。
 舞台となった北海道の浜辺(湿地帯)とそこに建つ西洋風のお屋敷は綺麗で、主人公のヒロインも知的で美しく、「少女のまなざしやしぐさから上品な色気が薫る」(朝日新聞、2014年7月25日)のは確かだが、ジブリの宮崎駿のこれまでの作品とは何かが違う.
 ただ、複雑な生育環境の中で傷ついた思春期の女の子の自分のルーツ探しの旅と、そこで出会う女の子同士の友情物語なので、思春期の女の子から見て「いい映画」だという感想が多いのであれば(ジブリの映画の好きなうちの娘に尋ねてみると、「風たちぬ」はつまらなかったけれど、この映画は映像もきれいでとてもよかった」という感想であった)、映画や芸術に疎い私が何も言うことはない.
 中年の男性の監督が、微妙な女性心理を描けるのかと疑問に思えるが、数々の名作を作ってきたジブリ工房には、多くの優れた女性スタッフもいて、複雑な女性心理を捉え表現する力量があるということなのかもしれない。
 
 それにしても、映画はあまり期待しないで、暇つぶしに見る程度がいいような気もする。これまで期待して見て「よかった」と思った映画は少ない。
 若い頃のことだが、銀座の並木座という古い映画の2本立てをやっている映画館で、「8月の濡れた砂」という一時話題になった日活の映画がやっていたのでひとりで見に行ったが(映画を見るときはいつもひとりだが)、その映画はさほど面白いとは思えず、もう一本付け足しでやっていた「仁義なき戦い」(1部)が圧倒的な迫力で魅了された。その映画のタイトルも知らず、期待していなかっただけに、満足感が高かった。(その後、「仁義なき戦い」のシリーズは皆見た。話題になり、テレビでも放映されるようになったが、お茶の間にはそぐわない映画であった)

夏の終わりの御宿

 夏は海水浴でにぎわった御宿(千葉外房)も、9月に入り、人も少なくなって、秋の気配。昨日(9月4日)は、ライフ・セーバーの訓練をする若い人(多分大学生)のグループが何組もあって、それなりの賑わい。( 写真はクリックして拡大)

御宿まで行き帰りの電車の中は、『回避性愛着障害―絆が希薄な人たち―』(岡田尊司、光文社新書、2013)と『ずーと彼女がいないあなたへ』(諸富祥彦、WAVE出版、2003)という、人との関係のうまくいかないことを扱った心理学の本を読んで行ったので、きれいな海で仲間と楽しくまた逞しく訓練する若者たちを見て、(心理的なことを)ぐじゃぐじゃ考えないで、スポーツ打ち込めば(波と戯れれば)、すべて解決すると思ってしまった。

秋の七草

秋の七草は 「ハギ(萩)、オミナエシ、キキョウ(桔梗)、クズ(葛)、オバナ(ススキ)、ナデシコ、フジバカマ(藤袴)」、
「一度に咲くのではなく、秋が深まりながら花開いていく七種の草花」。「秋の七草は山上憶良が書いた万葉集 <秋の野に、咲きたる花を、指(および)折り、かき数ふれば、七種(ななくさ)の花>」から始まった」とのこと。
(http://happamisaki.jp-o.net/flower/akinonanakusa.htm)
(http://blogs.yahoo.co.jp/yaoota1952/32479421.html)

実家の庭に、どこから飛んできた(?)萩が、大きくなっている。