教育政策の決定過程

教育政策はどのような過程を経て、決まるのであろうか。
教育に関する政策は、それが影響を受ける人が多い(日本の全児童・生徒)ので、しっかり見守る必要がある。時に、その決定過程に意見を言う必要もあるだろう。
たとえば、これまでのことで言えば、「学校週5日制」や「総合的学習の時間」の導入「小学校への英語教育」の導入、「道徳教育の教科化」など、どのような決定過程を経ているのであろうか。

今あまり知られていないかもしれないが、学校の教科書(学習者用)をデジタル化して、紙媒体を全廃しようとする文部科学省の動きがある。それに関する有識者会議というものもあり、もうすぐ答申を出すようだ。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/110/index.htm

この答申に基づき、子どもの使う教科書が全部デジタル化され、紙の教科書がなくなれば、その影響は、歴史の教科書に戦争中の「侵略」をどう記述するのか〔しないのか〕ということなど比べものにならないほど、大きな影響を子ども達に及ぼす。
有識者会議のメンバーがどのような人で、文部科学省は、どのような理由でこのようなことをしようとしているのか、この政策によって、誰が得をするのか、本当に未来の子ども達の為になるのかということを、研究者も教師も親も考える必要があるだろう。

上記に関して、いろいろご意見をいただいている。
「児童生徒数は約1千万人、タブレット1台が2万円として、いくらの金額になるのでしょうか? 原発同様、利権絡みでかなりの金が流れています。」(M)
「文科省の意向については、私たちからどうこういうことはできないと思います。調査をして、数値を報告することに徹したいと思います。さまざまなデータを提供し、最終的に政策立案者がお考えになればと思います。ただ、その気運でない時にあれこれすると現場に混乱を及ぼすことは確かでしょう。」(H)
「私は、ディジタル教科書の導入によって、今までにない学習の質が達成できるのではないか、と思っているところがあります。新しい「アクティブ・ラーニング」に役立つものになるかな、というものです。ただ、デジタル教科書はあくまで学ぶための手段で、それが目的化してはいけません」(K)