強いリーダー

「筑波大学 大学研究センター」で、大学職員向けの「大学マネジメントセミナー」の第2回が(5月24日)も、放送大学の自主ゼミが終わって後だったので、聞かせてもらった。
 その日の講師は、慶応義塾大学病院予防医療センター開設準備室事務長の岩田光晴氏。同氏は慶応大学法学部卒業、筑波大学大学院卒、リクルート、広島大学、そして慶応大学と大学のマネイジメントの分野で仕事をしてきた人。

 印象に残ったのは、慶応義塾が創立150周年記念行事の一貫として、ディズニーシ―を借り切り、塾生を中心に卒業生とその家族2万1千人を集め、そのイベントを成功させたこと。
 その企画が事務局から出された時、理事会では8割の理事が反対したという。代案が出なかったことから塾長預かりとなり、塾長の判断で実施が決定され、そのイベントが実行され、大成功をおさめたとのこと。
http://keio150.jp/events/2008/20080423.html

そこから、次のような話があった。
「大学改革の案に反対することはたやすい。しかし代替案を出すことは難しいし、それが出されることは稀である」
「皆が賛成する案は、改革案ではない。改革案は皆が反対する中で、リーダーが決断するものである」

大学改革(ここの場合は、慶応の150周年の記念イベントを、ディズニー シ―で挙行するというこれまでにない案)は、必ずしも民主的手続きで決定されるのではなく、強いリーダーシップのもとで決断され、成功する場合があり得るとのことこと。
もちろん、多くのことは、民主的な手続きで、皆が賛成する施策が実行されるのが普通であろうが、危機的状況や大きなイベントの時は、皆の反対をも押し切る強いリーダーが求められるのであろう。
それにしても、「皆が賛成する案は、改革案ではない。改革案は皆が反対する中で、リーダーが決断するものである」という言い方は、多数決の民主主義を最上のものと考えてきた大学教員
(私)には、ショックであった。

隠れマジ

「隠れマジ」という、真面目であることを隠す規範(文化)が、かって、学生文化の中にあったという話をK大学の学生に話したら、次のようなコメントが返ってきた。

「今の学校では、あまりそのような考えを持っている生徒はいない。むしろ、休み時間に勉強しているのが普通になった」
「大学の授業で『ある程度出席してレポートを出せば、単位をあげる』と言われた授業で、『私は毎回出席した』と友だちに言ったら、『それはおかしいでしょう』と言われた。彼女たちからしたら、最低限の出席をしてレポートを出せば単位がもらえるからそれでOK,となる。真面目は悪いことでないはずなのに、軽蔑されてしまうのは寂しいと思った。」

今の学生にも「隠れマジ」的な要素は残っているとも言えるし、また、以前より真面目化している、あるいは「生徒化」しているとも言える。