音楽教科書の分析

昨日のゼミ(上智大学大学院、非常勤)で、「音楽教科書における伝統文化」という発表があった。教科書の内容分析は、社会科や英語に関して行われることが多いが、芸術科目に関してはあまりなされていないので興味深い。
教育基本法の改定、2008年の学習指導要領の改訂で、日本の伝統や文化の教育が強調され、音楽にも日本のわらべ歌や遊び歌が取り入れるようになっている。
学習指導要領では、「日常の生活に関連して、情景を思いうかべやすい楽曲」(旧)から「我が国の及び諸外国のわらべうたや遊びうた、行進曲や踊りの音楽など身体反応の快さを感じ取りやすい音楽、日常の生活に関連して情景を思い浮かべやすい楽曲」(新)へと記述が変更になっているという。
その実際を、教科書にあたって分析すると、教科書各社(東京書籍、教育出版、教育芸術社)によって違いがあるという。
音楽教育によって、日本の伝統を教えることの効果はどの程度あるのだろうか。愛国心などが高まるのであろうか。その実際が調べられた興味深い。(確か、西島央氏の戦前の音楽教育に関する分析があったことを、ここで思い出した。)