映画『ドライブ・マイ・カー』を観る

映画『ドライブ・マイ・カー』(Drive My Car)をPCで観た。3時間と長い映画で、途中3~4回中断して、3日くらいかけて観た。映像はなかなか迫力があり、ドライブで景色も楽しめたが、村上春樹の世界とは別物のように感じた。その内容や感想はWEBで下記の次のように紹介されている。

『ドライブ・マイ・カー』(Drive My Car)は、濱口竜介監督による2021年8月20日公開の日本映画。村上春樹の同名小説「ドライブ・マイ・カー」の映画化作品。主演は西島秀俊。第74回カンヌ国際映画祭では日本映画初となる脚本賞を含む計3部門を受賞したほか、第94回アカデミー賞では作品賞・脚色賞を含む計4部門にノミネートされ国際長編映画賞を受賞。

「ドライブ・マイ・カー鑑賞してきました。今まで観た村上春樹映像化作品で1番好きだし村上春樹らしさが損なわれてないしホントにいい映画だった!」「村上春樹の物語をそのまま映像に転写したような、というのが率直な感想。観終わった直後はピンと来なかったのに、家福の独白を反芻する自分に気づく。僕たちって正しく傷つくべきだったよな」「愛する人を失う絶望から演劇を通しての希望を描いている今作。それは悲しみからの再生の物語」「この映画は、40も半ばを過ぎ人生がくたびれてきた人や若くして相当な災難に見舞われた人でないと心に沁みてこない映画なのかもしれない」「ユナ役のパク・ユリムさんはステキでしたね。手話も美しい」「濱口監督の作品は基本的に戯曲研究がベースになっている部分があるように思う。それが色々と面倒臭い印象を醸し出しちゃってるのかもしれない…」「話題になっていて自分の中であまりにも期待値を上げすぎていたせいか何が良かったのか私には分からなかった。棒読みのセリフも気になるしラストのみさきはどうして家福さんの車にしかも犬を乗せて運転してたのか?それも韓国に行ってたし、どう読み取ったらいいのか難しかった」「わしには分からん、アホじゃけぇ。文学っぽくて、序盤の雰囲気から最速で置いてけぼり。賞をとってるからと言って分かったフリはしたくない」

村上春樹に関する評論も書いている内田樹が、映画「ドライブ・カー」に関して、コメントを書いている(2022年12月29日)。一部転載しておく。

「すぐれたアイディアだと思ったのは、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を多言語(日本語、韓国語、中国語、手話など)で演じる舞台の稽古を軸に物語が進むという設定だった。/ 多言語演劇というのも巧妙な設定だと思った。日本語なら私たちには意味がわかる。だからつい意味を追ってしまう。それだけで「芝居を見た気」になる。でも、知らない言語で演じられると言葉の意味がわからない。私たちは俳優たちの微細な表情の変化や息づかいや声の響きに集中する他ない。それはストーリーを追うこととは別の種類の集中力を観客に求める。/そのせいで、観客には物語の進行を高みから見物するという横着な構えが許されない。観客ひとりひとりが固有の仕方での「参与」を求められる。」