隠れマジ

「隠れマジ」という、真面目であることを隠す規範(文化)が、かって、学生文化の中にあったという話をK大学の学生に話したら、次のようなコメントが返ってきた。

「今の学校では、あまりそのような考えを持っている生徒はいない。むしろ、休み時間に勉強しているのが普通になった」
「大学の授業で『ある程度出席してレポートを出せば、単位をあげる』と言われた授業で、『私は毎回出席した』と友だちに言ったら、『それはおかしいでしょう』と言われた。彼女たちからしたら、最低限の出席をしてレポートを出せば単位がもらえるからそれでOK,となる。真面目は悪いことでないはずなのに、軽蔑されてしまうのは寂しいと思った。」

今の学生にも「隠れマジ」的な要素は残っているとも言えるし、また、以前より真面目化している、あるいは「生徒化」しているとも言える。

間違い

私が家で留守番していたところ、近所の水道屋さんが、「奥さんにお風呂場の蛇口がおかしいので見てほしいと言われ、来ました」と玄関に立っていた。確かに、2~3日前から風呂場のホースの横から水が漏れ、風呂の栓についているチェーンも切れていて修理をしなければと思っていたが、妻にしては素早い対応だと感心しながら、お風呂場の壊れている部分を直してもらった(修理代 6000円)。
妻が夕方帰宅したので、「水道屋さんが来て、お風呂場を直していったよ」と伝えたら、びっくりして、「私は水道屋さんに電話していない。第1、電話番号を知らない」と言う。どうして、電話もしないのに、うちのお風呂が不具合であることを知ったのだろう、と不思議に思った。きっと、別の家の風呂が壊れ、水道屋に電話したのが、その水道屋が間違えてうちに来てしまったのだろう、ということで謎は解けた。
今頃、「お風呂の修理を頼んだのにぜんぜん来てくれないのはどうして」「え!修理には行きましたよ」という奇妙な会話がどこかで交わされていることであろう。でも、うちでは、その水道屋さんの電話番号も知らないので、それを止めることは出来ない。

昔、家庭講師先の高校生が、間違い電話で「中華そば3つ、出前お願いします」というものがあり、それに対して、「はい、わかりました」と、注文受けたということを聞いたことがある(とっさに、そのような対応が出来るのはすごいと感心した)。中華そばを注文した人が、待てど暮らせど、中華そばが届かず、怒り狂っている姿が目に浮かぶが、それと同じようなことを、自分もしたのであろうかと、心が少し咎める。

知らない単語―「ディアスポラ 」と「アフォーダンス」

時々、知らない単語が、当たり前のように出て来て、議論が進んで行くことがある。周りの人が知っていて、自分だけ無知らしい場合もあり、無知を恥じざるを得ない場合がある。若い人と話していて、私が知らないことは、世代ギャップと片付けられるのでいいが、そうでない場合もある。
最近遭遇したのは、「ディアスポラ 」と「アフォーダンス」いう単語。

「ディアスポラ 」は、映画『エレニの旅』を解説する本(「映画で入門 カルチュラル・スタディーズ」大修館書店(2006) )に、出てきた言葉で、私ははじめて聞く単語であった。あわてて、ネットで調べる。Wikipedia に次のように載っている。

ディアスポラ(διασπορά、英:Diaspora, diaspora)とは、(植物の種などの)「撒き散らされたもの」という意味のギリシャ語に由来する言葉で、元の国家や民族の居住地を離れて暮らす国民や民族の集団ないしコミュニティ、またはそのように離散すること自体を指す。難民とディアスポラの違いは、前者が元の居住地に帰還する可能性を含んでいるのに対し、後者は離散先での永住と定着を示唆している点にある。歴史的な由来から、英単語としては、民族等を指定せず大文字から単に Diaspora と書く場合は特にパレスチナの外で離散して暮らすユダヤ人集団のことを指し、小文字から diaspora と書く場合は他の国民や民族を含めた一般の離散定住集団を意味する[1]。よく知られる例ではギリシャ人、フェニキア人、アルメニア人、華人などの本国外に居住する該当集団をディアスポラと呼ぶことがある。また、近代奴隷制によって新大陸に連れてこられたアフリカ人の子孫に用いられることもある。最近では、混乱によって国外に亡命したツチ族ルワンダ人や、ソマリアを逃れたソマリ人集団など.

もう一つは、「アフォーダンス」。これは、「小学生たちが下校時に遊びのアフォーダンスを見出し」と青井倫子「幼児の遊びと仲間」住田正樹編『子どもと地域社会』(学文社、53ページ)にあるものである。学生に質問され、すぐにはわからなかった。これもネットで調べる。

アフォーダンスaffordance
我々は、環境を捉えるときに、行動を促進させたり、制限させたりするような特徴を読みとっている。 ギブソンという認知心理学者は、環境のこのような性質をアフォーダンスと呼んだ。彼は、「環境のアフォーダンスとは、環境が動物に提供するもの、良いものであれ悪いものであれ、用意したり備えたりするものである。」と述べている。ギブソンの挙げた例で説明しよう。 「陸地の表面がほぼ水平であり、平坦で、十分な拡がりを持っていて、その材質が固いと判断されたならば、その表面は、我々の体を支えることをアフォードする。」 我々は、確かにそういう場所を選んで歩いている。行動するときには、無意識であるにしろ、環境がどのような行動に向いているのかという情報を環境の中から得ているのである。アフォーダンスは、何も場所や空間だけに備わっている性質ではない。ステレオは音楽を聴くことをアフォードするし、本は読むことや枕にすることをアフォードする。 (槙 究http://www.jissen.ac.jp/kankyo/lab-maki2/maki/scripts/script01.html)

「学校社会学研究会」のお知らせ

毎年、夏に開催されている「学校社会学研究会」が、今年は、関西学院大学の冨江英俊氏が幹事役で、関西学院大学で、下記の予定で開催される。
誰でも参加可能。プログラムが決まり次第、お知らせする。

2012年度 学校社会学研究会のお知らせ
○日時 2012年 8月23日(木)~24日(金)
       23日 13時頃 集合 24日 13時30分頃 解散
○場所  関西学院大学 大阪梅田キャンパス(K.G.ハブ スクエア大阪)1406号室
 〒530-0013  大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー14階
  (阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。   JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、
   地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。)
  http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/
○今後の予定  発表申し込み    6月下旬、   プログラムの決定  7月中旬
 

アウトレットへ行く

最近、スーパーへ食品を買い物に行く以外、買い物に行くことはめったにない。たまたま娘が家の近く(車で15分)の海浜幕張の三井のアウトレットに行く用があったので、ついて行った。
JR京葉線海浜幕張の駅前でもあり、人はかなり出ていたが、千葉では最近木更津のアウトレットが出来たせいか、そんな混雑をしていない。若者向けのファッションの店ばかりあり、あまり年寄り向けの店がない。ただ、学生の姿もあまり見かけなかった。有名ブランドの店ばかりで、値段はそんなに安くはなく、普通の、お金のない学生には無縁のところなのであろうか。レストランでテーブルが屋外にも出てペット可の店があり、そこでは、犬のオフ会らしきもの(私の知らない上品な同じ犬種の犬の飼い主が数匹集まっていた)も開かれ、リッチで、楽しそうな団欒を見かけた。
アウトレットは、一種のお祭り気分の場所であり、気が緩む。私は今必ずしも必要がないリュックを衝動買いし、散財した一日であった。