移動しなくていい社会を作っては

「地方に住む若者たち」のところに書いたが、最近の若者は生まれ育ったところが好きで遠くに行こうとしない傾向がある。これでは異文化体験ができず、視野が狭くなってしまうことが懸念される。
 
 ただ、車で遠方に行くと、高速道路といえども時間はかかるし、渋滞や事故もあり、運転には一瞬の油断も許されず、どうして人はこんなに移動するのだろうと思う。
 もっと自分の住んでいるところで自足して満足すれば、人はこんなに移動しなくていいのにと思う。
 その為には、生活に必要なものは近くで供給され、風光明媚な場所も近くにあり、日々の生活が快適で充実したものであればいい。
住んでいる人も多様でわざわざ遠くに行かずとも、多様な文化に触れ、異文化体験ができるようになればいい。
移動しない人間を基調にした社会作りができないものかと、夢のようなことを考えている。

追記
住みやすい都市や街の上位に上がるのは、このように自足した多機能のところかもしれない。札幌、仙台、横浜、神戸、福岡などがこれにあたるように思う。
それでも、仙台に関しては、水沼さんから次のようなコメントが寄せられている。
<仙台は政宗一色ですが、それぞれの時代に優れた人物を輩出しています。「なぜ仙台人は郷土の歴史と先人に興味を持たないのか」「なぜ仙台人は新しいものに飛びつくのか」「なぜ仙台人は権力に弱いのか」、こんな研究テーマを持ち始めました。>

昔懐かしい場所ー野尻湖

過去に長年過ごした場所や思い出のある場所を訪れると、懐かしく、いささか心を動かされる。
特に通った学校(小中高)や大学、長年働いた職場などは、近くに行っただけで、当時のいろいろな思い出が蘇り、懐かしくなる。心休まる場合もあるが、逆に心穏やかでない場合もある。
私の場合、自分の通った大学、そして最初の職場はあまりいい思い出はなく、駒場も本郷もあまり近づきたくない場所である。

ただ学部生・大学院生、助手の時、夏のよく行った大学の寮(野尻湖寮)は、楽しく懐かしい思い出がたくさんある。
大学のクラブの夏合宿(男だけ50名近くの荒ぽい合宿だった。合宿の最終日には後輩が先輩を服を着たまま湖に投げ込む恒例の儀式もあった)、学部3年次の教育調査の調査票作りの為の夏合宿はいつも野尻寮で行われ、(私は助手時代、松原治郎先生の助手として毎年ご一緒した)、当時学部生で今は学会で活躍している後輩との思い出も多い(例えば小林、近藤、渡部⁂、耳塚、苅谷らの各氏)。友人や家族とも過ごした。

野尻寮は木造2階建てで、素朴な野尻湖の湖畔にあり、桟橋の間で泳げて、ボートや卓球台があり、妙高高原の山々が見えて、いろいろな人と過ごした楽しい思い出だけが残っている。
そこを半世紀ぶりくらいに訪れる機会があり、昔を懐かしんだ。大学の寮の建物はもう取り壊されてなくなっていたが、桟橋は残っていて、場所の雰囲気は昔のままであった。

⁂*集団生活嫌いの渡部真さんが、学部3年生の時、勇気を出して合宿に参加し、1泊だけだったが、皆と一緒に過ごせたのは画期的なことだったのであろう。その渡部真さんは今年亡くなり、もう会えないと思うと寂しい。湖畔で冥福をお祈りした。横浜国大と上智の学生との合同合宿も懐かしく思い出す(こちらは山中湖や軽井沢で行った)

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猛暑に思う

例年にない暑さが続き、うちでも例年はほとんどクーラーなしで夏を過ごすのだが、今年は1箇所だけクーラーが付けぱなしになっている。それだけ今年は暑いのであろう。

でも、これまでも夏はこのくらい暑かったのではないかという気もする。
昔8月上旬の一番暑い時に信州で3〜4日過ごし、涼しくて快適で、一番暑い時の避暑はこんなに体にいいものかと思ったことがある。

自分が小学生の頃(1950年代)、夏休みといえば、午前中の涼しい時に少しだけ夏休みの宿題をして、その後は親戚の子や友だちとセミやトンボやチョウチョウを採りに行ったり、草野球をして、暑い夏を過ごした記憶がある。その頃は家にクーラーや(電気)冷蔵庫もなく、夏が暑いのは当たり前で、その暑さを楽しんだ記憶がある。

その頃(1956年)の7月の東京の平均気温を調べると25.9度、最高気温28.1度とある。今年の7月の東京の平均気温28.7度、最高気温33.1度である。今年は60年前と平均気温で3度ほど高く、最高気温で5度ほど高い。確かに、地球の温暖化が進んでいるのかもしれない。今年は特に猛暑である。
(ちなみに東京オリンピックのあった1960年の最高気温は、7月29.8度、8月30.4度である。)
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&view=a2

ただ、7月と8月では年により気温の高い月が違っているので、今年は8月になり気温が下がることを願う。

追記1ー7月26日(木)は30度を超えているが、前日より2〜3度下がったのであろう。涼しく感じる。暑さ―寒さの感じは、相対的なところもある。
追記2-「日本の夏の高温化の主な原因は、取り沙汰されることが多い地球温暖化ではなく、ヒートアイランド現象にある。」という説もある。」
webronza.asahi.com/science/articles/2018071900009.html?iref=pc_ss_date