文献の引用に関して、オリジナリティに関して

学術的な論文の文献の引用に関して、思うことを書き留めておきたい。昔、引用などに詳しい同僚の香川教授が指導学生に、「卒論や修論を書く際に、引用は学術書から行うもので、新書本から引用してはいけない」といっているのを聞いて、その理由を聞いたことがある。

「新書本は一般向けに易しく書かれてものである。引用は新書の元になったオリジナルの論文や書籍から行うべきものである」という説明で、納得した。新書がオリジナルな最初の発表内容の場合も(稀に)あるので、新書の引用は絶対にいけないとはいえないと思うが、オリジナルを尊重するということの重要性は納得した。今は論文でも、新聞やネットからの引用を目にすることがあるが、これはオリジナリティは薄いし、極力避けるべきであろう。ウキペディや生成AIの回答は引用には向かない。

 自然科学だけでなく、人文や社会科学においてもオリジナリティに関しては尊重されなければならないと思う。私も昔自分の専門分野のことで1つのオリジナルな考えを思いついたと感じた時、それを執筆して公開する前に誰かに同じことを先に書かれてしまったらどうしようと思い、関連の論文や書籍が発刊される度にハラハラして、真っ先にそれを確かめたことがある。 

 そのことに関連して残念に思うのは、その私の書いたオリジナルな見方を引用で書いてくれる人(A氏)がいても(引用なしで自分の考えのように書く人は論外)、その人の論文や本を読んだ人(B氏)が、引用文献にそのA氏の論文や本を記載し、元の私の文献が無視されたことがある。そのようなことはその後も続いた。A氏が有名な人ということがあり、またオリジナルを探すのは大変で、私も同様のことをしているかもしれず、お互い様なのかもしれないが、最初にそれを言った(書いた)のは誰なのかを、正確に引用するのは、学問をする人の(引用をする人の)礼儀(倫理)だと思う。(私はそのことで感謝されたことがある。その先生も悔しい思いをしていたのだなと感じた)したがって、研究者たるものそのことを知った新聞やWEB記事から引用することは避け、その説(見方)のオリジナルはどこにあるのかを、学術的な文献から探し、それを記すのが務めてあろう。(このブログの文章は、学術的なものでないので、その点はスルーして、出自に関してはかなりいい加減なところがあると思っている。論文の引用に適さないのは確か。)