見失ったもの

母がデイサービスでお世話になっている方が、ご家族(ご主人、奥様と2歳の女の子)で、母の入院している病院に、見舞いに来てくださった。(10月12日、日曜日)。わざわざ休みの日に、一顧客の見舞いに夫婦で来てく出さるだけで感激なのに、それ以上のことがあった。
私が母の退院後の老人介護施設に関しての情報を尋ねたところ、「自分達のところが中途半端で、受け入れることができず申し訳ない」と、奥様が涙ぐまれたのには、驚いた。
そこのデイサービスは、一軒の家で、ご夫婦で、何人かのヘルパーと、昼間、老人の介護を引き受けているところで、その懇切丁寧な介護には、福祉の分野にはこんな人もいるのだと感心し、いつも感謝しているところであった。
しかし、世話のかかる一顧客の老人のことを、涙するほど気にかけてくれているとまでは、露ほど思わなかった。
 現代の、都会生活の中で、人との関係は、ビジネスライクにしか考えられないようになっている。このような情の深い思いやりの心は、ほとんど失われていると思う。奥様の涙を見て、現代社会の中で、見失ったものを見る思いだった。。