大学教師と学生との関係というのは、どういうものなのであろうか。
私の知り合いの80歳になる教育史の先生が、毎日神棚にお祈りするとき、恩師の名前を唱え、お礼を言うという。また、もう一人の80歳の先生は、学生時代に、指導教授が熱っぽく語った分野が今まだ気になり、これからさらにその分野の研究し本を1冊書こうとしている。
このように学生にとって、大学の教師、特に指導教授の影響は大きい場合がある。しかし、このような例は今は特異で、今は大学教師というのは、自分にいくつかの断片的知識を与えてくれた人、読むべき本を紹介してくれた人という程度ではないか。
今の時代、情報過多の時代なので、読むべき本や情報を提供してくれ、読んだり学んだりする方向を示してくれる、そういう先導者としての役割を果たす人が必要で、それを大学教師がはたしている。
人が生きる上で、こういう先導者が重要なことを、ジラールや作田啓一が指摘しているが、教え子は、この先導者をすぐ追い抜き、尊敬が軽蔑や憐憫に代わることを、漱石の「心」の先生は明確に述べている。大学の教師たるもの、若い人を導き、追い越され、踏み台になる、それが大学教師の宿命と考えた方がいいと思っている。
投稿者: takeuchi
御宿の吊るし雛
鴨川シ―ワ―ルドに行く
放送大学東京文京学習センター 公開講演会
放送大学東京文京学習センターで、5年間客員教授として勤めてきた。それがこの3月で終わる。主な仕事は、センターに運営会議への出席と、面接授業の講師探しと、自主ゼミである。
多くの友人、知人に、面接授業の講師にお願いしてきた。教育学、教育社会学、社会学を中心に、経済学、国際関係、民俗学、文学、音楽、話し方の専門家の方にも講師をお願いしてきた。文京学習センターの面接授業の充実に貢献できたのであれば嬉しい。ご協力いただいた方に感謝したい。
月2回の自主ゼミに参加してくださったゼミメンバーにも御礼申し上げる。
その仕事の、締めくくりのような形で、公開講演会が開かれる。(http://www.ouj.ac.jp/hp/o_itiran/tokubetu/)
日時 2014年3月8日 (土) 14時~15時30分
講師 武内 清(放送大学文京学習センター・客員教授)
テーマ 現代の子ども、若者、教育について~教育社会学的考察~
場所 放送大学文京学習センター・講義室