有本章先生より『学問生産性の本質-日米比較-』(東信堂、2022.5)をお送りいただく

有本章先生より、2か月ほど前に、最近のご著書『学問生産性の本質―日米比較―』(東信堂、2022.5)をお送りいただいた。読んでお礼状をと思いながら、740ページの大著で、中身が高等教育に関する学問的な濃い内容の為、なかなか読み終わらず、礼状を書けず、最近に至ってしまった。きちんとした礼状(感想)は後日にしたいという、お詫び状だけをメールでお送りした(本来であれば、お手紙で礼状を書くのが礼儀であろうが、筆不精の私はなかなかそのようなことができない)。

有本章先生は、1941年広島市生まれで、広島大学、同大学院博士課程を修了(教育学博士)後、大阪教育大学他、多くの大学の教授を歴任し、現在兵庫大学高等教育研究センター長・教授を勤めていらっしゃる。日本教育社会学会会長、日本高等教育学会会長も歴任し、海外の学会の活躍も数々あり、単独の著作、編著書も多数ある著名な大学教授である。私は日本教育社会学会でご一緒させていただき、兵庫大学で開催のシンポジウムにも呼んでいただいたことがある。その有本先生が、今回740ページもの大著を新たな書下ろしをされ出版され、その内容が高等教育全般に及んでいることにとても驚いた。80歳を過ぎ、その研究意欲、執筆能力に微塵の衰えもないということが、信じられない。

内容は、「学問生産性」あるいはアカデミック・プロフェッションという観点から、大学教育のあり方を、歴史的な観点や国際比較をふんだん含め理論的に考察し、しかも現実のアメリカや日本の大学、大学教授、学生の実態のデータや事例を詳細に紹介、検討していて、博学の先生ならではの考察が随所にある。高等教育の社会学的研究の模範、金字塔になる著作ということは間違いない。本書を読みながら、大学や大学教育のことがいろいろ整理できると思った。それを書き留める作業をこれからしようと思う。いつきちんとしたお礼状を書くことができるか、わからないが。