渡邊雅子教授『「論理的思考」の文化的基盤』への礼状

名古屋大学の渡邊雅子先生より、ご著書『「論理的思考」の文化的基盤』(岩波書店、2023)をお送りいただき、下記のような礼状を出した。

<この度、ご高著『「論理的思考」の文化的基盤』(岩波書店、2023)をお送りいただきありがとうございました。2021年に岩波書店から出版されたご著作(『「論理的思考」の社会学的構築』に続き、短期間で素晴らしい学術書を出版され、先生の学問的生産性に驚きを禁じえません。/日本とアメリカ、あるいは日本とフランスの文化や教育比較の本は、いくつかありますが、日米仏にイランを加えた4か国比較というものははじめてかと思います。/さらに、単なる文化比較というのではなく、社会学的な考察、しかも「論理的思考」に焦点づけて、主題が鮮やかに分析、記述、説明され、読者に感銘を与えます。/これからじっくり読ませていただきますが、4つの国の「論理的思考」を詳しく学び、自分の思考や文章も再考したいと思います。/4つの象限に分け考察するのは、とてもわかりやすく、全体を俯瞰するのに、つまり自分の視点を他の観点からみるのにとても有効な方法だと思います。昔読んだ作田啓一の「価値の4類型」(『価値の社会学』岩波書店)や見田宗介の価値論を思い出します。/私にとって衝撃なのは、日本の「論理的思考」の箇所(200ページ前後)に書かれている「共同体への回帰」のようなことを、私自身無意識にやっているのではないかということです。具体的には、私が依頼されたコラムを書く時や、大学の授業での学生のコメントの例をいくつか抜き出し皆に提示するのは、日本の学校の国語教育で行われているような「共通の感覚」と「共通の感想」へ読者を導いていこうとしているのではないかということです。もっと、米仏そしてイランのような方法も考える必要があるのではないかという自己反省です。/ご著書を読ませていただき、いろいろなことを考えたいと思っています。簡略ながら、御礼まで。>

風の便り61号

毎月1日には、辻秀幸氏より「風の便り」が送られてくる。今回⁽61号)は、人からあまり好かれていない蜘蛛の話。その説明と写真が掲載されている。蜘蛛の写真を撮ったことはないが、かなり難しいのではないか。蜘蛛といえば、小学生の頃、家の庭に「女郎蜘蛛」(兵隊蜘蛛と言っていたように思うが)を「飼って」いて、時々生きた昆虫など餌をあげていたように思う(今考えるとかなり残酷なことをしていたものだ)。