大学の研究室の意味

大学教員にとって、研究室(個室)の存在は、ありがたい。
しかし、大学教員に個室があてがわれるのは当たり前になっているので、その有難味はなかなか感じことができない。その証拠に、研究室の利用率は極めて低い。
定年になり、研究室がなくなって、はじめてその有難みがわかる。

一般に大学の研究室の広さは、せいぜい15〜20平米なのでそんなに広くはないが、本箱を置き、本や資料を置き、インターネットや電話は自由に使えるし、冷暖房費もいらない。誰にも邪魔されず、本が好きなだけ読めて、インターネットが使え、いろいろな作業も出来て、こんな有難い空間はない。
私は、武蔵大学、上智大学と30年間に渡り、高層の景色のよい部屋を宛がわれ快適だったが、家からの距離が遠かったので、授業のある日以外、行くことがあまりなかった。(定年後、その有難味がわかった)
今勤める敬愛大学の研究室(個室)は、家からも近く(車で5分)、高台の6階にあり、展望もよい。廊下から、稲毛の浜と天気がよければ富士山や日の入りが見られる。
この研究室で、今日も数時間過ごしたが、冬休みということもあって、教員をほとんど見かけなかった。多くの教員が東京在住なので、千葉(稲毛)まで、用もないのに来ることはしないのであろう。
大学教員にとって、学生との個別相談や学生に対する個別指導もするので、個室の存在が欠かせない。しかし、それは少し建前かも知れない。
敬愛大学の場合、学生が教師を敬遠して(遠慮して?)、あまり訪ねてこない。その分、研究室にいても誰にも邪魔されず、自分の時間が取れる(武蔵大学にいたときは、ゼミの学生がよく研究室に遊びに来た。私の部屋に置いてあったジャック・ダニエルを飲みに来る学生もいた。上智大学の時は、院生やゼミ生がよくいろいろな相談に来ていたし、また同僚の先生が来て話し込むことも多くあって、研究室はゆっくり本を読んだり思索する場ではなかった)
それにしても、利用率が低い研究室は、とても贅沢な空間だと思う。そのような贅沢さが、大学には必要なのだが。

冬の花―シュクラメン

冬は、花がなく、さびしい季節。
その中で、シュクラメンだけは例外。
今年も近くの花屋さんで、クリスマス特売のシュクラメンを買い、出窓に飾り、寒さ、さびしさを回避する。

リンゴケーキを作る

知り合いから美味しいリンゴをたくさんいただくことがある。
そこで、リンゴケーキを作ることになる。
料理をほとんどしない(できない)私であるが、リンゴケーキは、何の料理の腕もなくても、レシピ通りすれば、簡単に出来、素材がよければ、結構おいしい(?)
今日は、家族の為に作ったが、先日は、ゼミの学生や卓球愛好会の休憩のお茶菓子に持って行った。
是非、下記のレシピでお試しあれ。

アップルケーキの作り方
材料:卵(大)1個 、リンゴ (大)1個、小麦粉100グラム、サラダ油90CC ,砂糖70グラム、ベイキングパウダー小1、汁レモン1、
バニラエッセンス、シナモン適量
作り方:全部混ぜて、180度のオーブン(コンベック)で約20分焼く。(もう少し時間をかけて焼いた方がいいかもしれない)

冬の公園-子どもの観察

冬の午前中の公園は、まだ寒く、ほとんど人を見かけない。
昨日(22日)、朝9時半から2時間ほど近くの公園に2歳4か月の子を連れて行ったが、犬の散歩をする人や老人の散歩を、幾人か見かけたが、1時間ほど砂場や遊具で遊ぶ子どもは、他にいなかった。
寒さが和らいで来たお昼近くに、母親が幼い子どもを連れて、何組か現れた。
年寄りがその中に入るのもはばかれて、子どもを遠くから見守る。同世代と遊んだことのない子どもが、どのようなコミュニケーションを取るのか。自分の遊具という所有意識があるのか、観察することには事欠かない。

大学生の授業への出席率に関して思うこと

学期末が近づき、授業への出席をチェック(整理)し始めている。最近は学生の授業への出席率はよくなっていて、どの授業も8割前後の出席率となっている。
昔は、もっと低かった。私が30年近く前に勤めた武蔵大学では、経済学部2割、人文学部3割くらいが平均であった。学生達は、出席を取る語学と体育とゼミには出て、後は好きな授業2~3科目出て、学期末にノートのコピーを集め、試験を受ければ、単位が楽々と取れた。
「大学生たるもの自主的な勉強や活動を主とすべきで、授業の時間に、見たい展覧会や映画の上映があれば、そちらを優先すべき」と大学の教員も考えていたし、そのようにガイダンスで話す教員もいた。
 そのような中で、教員生活を長く送ってきた私は、なかなか学生の出席に対して厳しくなれない。(「大学の厳しい出席管理は、大学生の授業をさぼる自由を奪うもので、自由をモットーにしている大学にふさわしくない」と言っていた社会学研究者もいて、共感したことがある)
しかし、多くの準備をして、「これだけは学生に伝えたい、考えさせたい」と意気込んで臨んだ授業で、欠席が多いとがっかりする。授業に欠席の多い学生に対しては、「私の講義の価値がわからないのか。猫に小判だ。低い評価を付けるか、単位を落としてやろう」と怒りが沸々と湧いてくることがある。
一般には、出席のいい学生が、いいリアクションペーパや優れた答案を書いてくる場合が多い。しかし、時々、出席は100%に近いのに答案がよくないものや、逆に出席率は低いのに、答案の出来のいいものに出会うことがある。これには、困ってしまう。
 当然、学生への評価は、教員のストレス解消の手段ではない。どのような評価や対応が、その学生の成長にとって好ましいのかを考え、出席不良の学生に対して指導するのが本筋であろう。
 1回の欠席に、400字分のレポートを余分に提出ー5回の欠席で2000字プラスーは、どうであろうか―このようなことを考えている。