よきテキストと学生のよき発表

 敬愛大学のこども学科の授業で「子どもと地域の教育論」という科目を、前期に担当した。
 これまで「教育社会学」「学校社会学」「高等教育論」「多文化教育」「青年文化」という科目は担当してきたが、「地域社会」と関係づけた科目は担当したことはないので、最初この科目を担当するように学科から言われた時は少し戸惑いがあった。
 幸い、学文社の「子ども社会シリーズ」のなかに、住田正樹編『子どもと地域社会』(学文社、2010年)があったので、それをテキストに、学生のグループ発表で、授業を行った。
 テキストがこの分野の内容を網羅し、またそれぞれ章がわかりやすい文章で、これまでの研究や議論をまとめ、現在の問題点を的確に指摘しているので、助かった。
 学生諸君も、いいレジメを作成し、グループ発表で力を発揮し、毎回充実した、楽しい授業となった。 
 学生諸君の役割分担にも感心した。テキストの要約を作る人、それを発表する人、皆から意見を引き出す人、黒板に皆の発言を書く人、討論の司会をする人、など自分の得意分野を受け持っている。
 明らかに、これは特定の個人の貢献が大きいなと思われる場合もあるが、皆,平等な共同作業の結果であるという態度で発表しているのが、興味深かかった。
発表を聞かず、私語している学生もいるが、仲間の発表なので教員の講義よりは熱心に聞くという態度が一般的で、グループ発表は、敬愛の学生に方法としても成功したと思っている。
 レポートを課したので、その成果が楽しみ。