日本子ども社会学会21回大会

日本子ども社会学会の創立20周年の記念大会を来る6月28日(土)と28日(日)に、私の勤める敬愛大学で開催する。記念大会ということで、3つのシンポジウムを、28日午後に公開[無料]で開催する。その3つとは、以下である。

シンポ1   「震災後の子ども、学校、地域社会」  
2014年6月28日(土) 13時30分~15時30分 
  報告
   徳水 博志  元石巻市立雄勝小学校  被災児への心のケア 
   堀 健志 上越教育大学 被災地の学校教育がつきつけるもの 
   櫛田 久代 敬愛大学大学教育における被災地ボランティア活動
長谷川 信  千葉市生活文化・スポーツ部 防災教育の視点から 

シンポ2  「子どもに食(フード)と農(アグリ)をどのように教えるのか」
     2014年6月28日(土) 13時30分~15時30分
  報告
     紺野 和成   日本政策金融公庫 千葉支店
三幣 貞夫   南房総市教育委員会
     熊澤 幸子   東京成徳大学

シンポ3 「子どもの昔と今―子ども研究の饗宴」
    2014年6月28日(土)15時40分~18時00分 
 報告
   藤田 英典   東京大学名誉教授、(日本教育学会会長) 
      生活環境の構造変容と子ども問題の諸相
   池田 曜子   流通科学大学  現代の子ども
   谷川 彰英   東京成徳大学  、柳田国男の子ども論
   原田 彰   広島大学名誉教授  日本の知識人がみた〈子ども〉
  討論者 
     深谷 昌志 東京成徳大学名誉教授 
     多賀 太  関西大学

 その他に6つのラウンドテーブルも公開で開催する。
 その他の自由発表も、臨時会員として参加費2000円(発表要旨付)で聞くことができる。
 詳細は、大会のホームページ
(http://www.js-cs.jp/wp-content/uploads/2013/10/jscs2014p.pdf)を参照のこと。

多くの方の参加を、お待ちする.

『女のいない男たち』(村上春樹)を読む。

村上春樹の小説が、1年ぶり(短編小説としては9年ぶり)に出版された。さっそく購入して読む。
村上ワールドは健在だ。
「女のいない男たち」は、「女抜きの男たち」ではなく、「いろいろな事情で女性に去られてしまった男たち、あるいは去られようとしている男たち」(p9)の物語。
男たちにとって、女性の存在はとても大きい。女性がいなくなった世界がいかに空虚な世界なのかが、描かれている。村上春樹らしい恋愛小説である。

登場人物の女性は、皆美しく、知的で、思慮深く、魅力的だ。それに対して、村上春樹の男に対する目は厳しい。男には奥行きの深さ(教養)が、要求される。
「僕の奥さんは意志が強く、底の深い女性だった。時間をかけてゆっくり静かにものごとを考えることのできる人だった」、(妻の恋人は)「たいしたやつではないんだ。正直だが奥行きに欠ける。なんでもない男に心を惹かれ抱かれなくてはならなかったのか」

描かれている主人公の男たちは、素敵な女性に去られてしまって、生きる意欲も失い、死んでしまうものまでいる。その女性が彼のもとを去った理由がよくわからない(つまらない男にひっかかったのかもしれない)。
それでも、男は女性への思いと敬愛を捨て去ることはない。村上春樹は、すごいロマンチストだ。フェミニストと言ってもよい。

最後の2編(「木野」「女のいない男たち」)は、トーンが少し違っている。「木野」は祟りの物語である。猫が去り、蛇が多数出没し、場所が欠けてしまい、悪霊に祟られ、それを払う旅に出る。
「女のいない男たち」は、主題のまとめのようになっていて、文章が村上春樹特有の修辞に充ちていて、感心する。「ある日突然、あなたは女のいない男たちになる。その日はほんのわずかな予言もヒントも与えられず、予感も虫の知らせもなく、ノックもなく、、」

上智大学の仏文科の女子大生(テニスサークルに所属)が、育ちのよいお嬢様の典型として描かれている(p79)のは、少し違うかなと思ったが。