多文化教育再考

内田樹は「コロナ後の世界」(ブログ21021年10月17日)で、「『グローバルからナショナルへ』という流れはこのあとしばらく続くでしょう」と書いている(http://blog.tatsuru.com/)。その通りなのだが、そのような時だからこそ、今はその逆の多文化的な考え、教育でいえば多文化教育的視点が必要だと思う。

多文化教育に関しては、このブログでもたびたび書いてきた。授業でたびたび取り上げてきたせいである。

また「アメリカにおける多文化教育の歴史と現代的課題」という題で、アメリカのUWの教授で、教師教育で世界的に有名なグロリア.L.ビリングス教授に、上智大学の授業で話していただいたことがある(通訳は加藤幸次先生がしてくださった)。(下記上段参照)

また、私がこのテーマで最近書いた短い文章の掲載しておく(下記下段参照)

実証的データーで検証することの意味

何となく思っていることでも、実際のデータで確認する意味はある。自分や世間の思い込みが実際とは違っていることはよくあるからである。

外国語である英語の学習で、日本人の英語教師より英語のネイティブスピーカーに習った方が、英語に親しみを持ち、英語が好きになり、英語の学力も高くなるのではないかと、一般には思う。それを、大規模な調査で、確認した報告論文を読んだ。

向後秀明他「外国語指導助手(ALT)が小・中学生の英語学習に対する意識及び中学生の英語力にもたらす効果に関する調査研究」(敬愛大学国際研究第35号、2022.2)である。

中学生で「英語の勉強は楽しい」と「とてもそう思う」割合は、ALTの参加度が「週に3回程度」で40.5%,「週に2回程度」で25.8%、「週に1回程度」で24.8%と、3回と2回以下の間で大きな差がある。英語テストの結果(20点満点)でみると、ALTを「ほぼ毎日配置」で11.0点、「週に3回程度」で10.4点、「週に2回程度」で10.6点、「週に1回程度」で9.1点と、大きな差とはいえない。

この調査は、中学3年生では、アンケート調査を11902名に、英語テストを6228名に対して、アンケート調査は13問、英語テストは英検4級レベル20問を実施した大規模なものである。さまざまな要因が調査項目に含まれていて、社会調査の技法を駆使すれば、ALTの効果の実態がデータで検証され、有意義なものになるであろう。

谷川彰英先生のこと

私は現在「公益財団法人中央教育研究所」の研究プロジェクトで、全国の小学校教師を対象にした調査を、研究仲間と一緒にやっている。その研究所の理事長は、前筑波大学副学長の谷川彰英先生である。谷川先生は地名作家としても有名である。その谷川先生の紹介記事が、今日(6月1日)の朝日新聞の「天声人語」に載っていた。お元気な様子で安心した。

(天声人語)人生第3幕 2022年6月1日 (一部転載)

 「ぜひご一読を」という手紙を添えて、読者の方から本を贈っていただいた。著者は千葉大や筑波大で教鞭をとった谷川彰英さん。読み終えて胸に響くものがあり、ご自宅へ伺った▼いま76歳。退官して趣味の地名研究に打ち込んでいた4年前、極度の食欲不振に見舞われた。1週間で体重が10キロ減り、足がもつれて転ぶ。全身の筋が徐々に衰える難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された経験を、『ALSを生きる』という本にまとめた(中略)▼〈生きたい、生きたいと思う闘病記、後世の役に立つ本を書きたい〉。文字盤を通して谷川さんは語る。〈教育学が僕の人生の第1幕。地名研究が第2幕。ALSの実相を伝えるいまが第3幕です〉(中略)▼谷川さんもとびきり前向きである。専用パソコンを駆使してALSに関する2作目を書き終え、ロシアに停戦を求める声明にも賛意を送る。透明な文字盤の向こう側から届く熱い言葉に、こちらが大いに励まされた。

私も、谷川先生の著作に関しては、2016年10月25日と2020年3月31日のブログで紹介させていただいている。

潮来へあやめ(菖蒲)を見に行く

バラの季節が終わると、次は、「あやめ」の季節ということで、今日(6月1日)は、茨城県の「水郷潮来(いたこ)あやめ園」に行った。千葉から比較的近く、東関東自動車道の「北千葉」で高速に乗って、成田空港の先の「潮来」で降り、下の道を10分ほど行ったところにあった(家から50分)。

ここに来たのは初めて。色とりどりのあやめ(菖蒲)がたくさん湿地に咲いていて、そばの水路には櫓(ろ)船が行きかい、潮来の歌が流れ、なかなか情緒溢れる独特の雰囲気であった(下記)。入場料無料というのも嬉しい。「あやめ」の鉢も2鉢購入したので、これから家の庭でも楽しめる。帰りは利根川を渡り、対岸の佐原の香取街道沿いの昔の商家の町並みを散策した(5460)。朝思い立っての、行き帰りも含め6時間の日帰り旅行であったが、江戸情緒を味わった半日であった。

シルバー人材センターに植木の剪定を頼む

高齢者の余暇や時間の潰し方に関する議論はよく読んだり聞いたり、人と話したりするが、働き方に関する話はあまり聞かない。

うちで、普段頼んでいる植木屋さんが怪我をして来られないというので、「千葉市シルバー人材センター」に植木の剪定を頼んだ。来てくれたのは、高齢者の男性二人で、朝7時半から夕方5時半まで、お昼の30分は持ってきたお弁当を食べ、お茶の時間は少しの休憩しかせず働き詰めで、植木の剪定は専門の植木屋さん以上に丁寧で上手で、とてもびっくりした(ほとんど電動器具を使わない)。

それに料金がとても安い。一人の人が時給1120円、もう一人の人が時給1530円。植木の剪定の技術力で時給は違うというのも興味深かったが、時給の低い人も上手に剪定してくれて、大満足であった。植木の剪定は梯子に乗り大変な作業で、時給が安すぎる気がするが、二人はとても楽しんでやっている風で、こちらも申し訳ない気持ちと、安堵する気持ちを持った。(昔、実家の同じくらいの広さの庭の剪定を植木屋に頼んで、(少し木を切ってもらったにしろ)30万円かかり驚いたが、今回はその10分の1の値段にもならなかった。)

「千葉市シルバー人材センター」のHPをみると(https://webc.sjc.ne.jp/chibasc/index、)植木の剪定の他、大工仕事、草刈り、清掃、家事サービス、福祉サービス、育児サービス、空き家管理、学習教室、パソコン教室などさまざまなことも高齢者がやってくれるようで、金額以上のことがあるように感じた。この「シルバー人材センター」という組織自体、なかなかいいものだと感じた。値段だけでなく、高齢者(シルバー)に働き甲斐、生きがいも提供しているようにも思えた。顧客との関係も何か昔風のあたたかいものがあると思う。これは、各自治体ごとにあるようである。社会学や生涯教育専攻の若い人が、卒論や修論でその実態と働きを調べてほしいと思った。