今、大学の文系の学部や大学院の演習(ゼミ)などで、その分野の古典を読む授業はなされているのであろうか。昔は、そのような授業は多かった思う。同時に各分野の古典の翻訳も多く刊行されていた。教育学の分野でも、教育思想の主な学者の翻訳本が全集のような形で出ていたように思う。今は、そのような本を古本屋に持っていっても買い取ってもらえないのではないか。しかし、古典の価値は相変わらずあると思う。
この度、黒澤英典先生(武蔵大学名誉教授)より、教育学の古典の1冊を最近翻訳されたものを送っていただいた。その礼状の一部を転載する。
<名著のご翻訳書『教師養成についての考察』(シュプランガー著、人言洞,2025年)をお送りいただき、ありがとうございました。翻訳書を拝見して、驚き感激していろいろ思うこと、教えられることが多々ありました。今日本で、若い人の教師志望が減少している中で、教師の仕事の価値、陶冶性、学問性を哲学的に説いた古典の名著の翻訳は、とても時期を得た貴重なもので、役立つだけでなく、後世に残るものだと思います。 翻訳の文章は練られた明解なもので、いろいろ学べ、考えさせられます。80歳代後半の黒澤先生の教育研究や教職への情熱は、衰えるものではなく、熱いものが感じられ、それに心打たれます。先生の御著作を読み、少しは見習わなければと感じた次第です>