写真投影法2

今日の(2015年11月24日)の教職概論は、写真投影法を説明した。
学生が、教員になった時、この手法を使えると思った為である。
最初に、今日の課題として、「大学内で気に入っている場面、あるいはひと、もの等の写真を撮ったと想像してその絵を描き、それにコメントをつけて下さい」 (コメントの長さは自由20~100字くらい)という指示を出した。
本当は写真でできればいいのだが、時間も、機材もないので、簡便な方法をとった。(もしかしたら、スマホで写真を撮り、それを持ってきてもらえば、それを投影し、情報を共有できるのかもしれないと、後で思った)
次に、NHKの藤原新也の授業を、you tubeから見てもらい、感想を求め、それも参考にしてもらった。
写真投影法に関しては、下記の資料を配り、説明した。
受講生からは、かなり、面白い写真(絵)やコメントがあった。

配付資料
写真投影法1(出典http://applumeria.me/blog/20131204/)
まず始めに「あなたの人生において大切なもの」というテーマで写真に撮ってくださいと伝えるところから始めます。撮ってきてもらった写真をもとになぜその写真を選んだのかということを聞いていきます。写真というところがとてもユニークなポイントです。これは写真投影法と呼ばれるものです。心理学の分野では、心の中を言語化することで、分析であったり、カウンセリングが行われてきました。ただしその言語化する過程の中で失われてしまう情報があるのではないかという考えもあります。そうした考えから生まれたのが、描画法というものや箱庭療法になります。描画法では実際に絵を描いて表現してもらい、そこから分析を行っていく手法になります。その時々でテーマを与えられるのですが、「自分を描いてみてください」などといった指示をして絵を描いてもらいます。箱庭療法では、砂の入った木箱に準備したミニチュアを好きなように配置をして、自分の世界を表現してもらいます。どちらの方法も表現したあとに言語化されることがあります。描画法や箱庭療法では絵の上手い下手や、ミニチュアの制限、時間的制限がともされています。写真投影法はそれに次ぐ方法として、京都造形芸術大学の野田教授が1988年に考案した手法であり「写真による環境世界の投影的分析法」のことです。近年カメラの性能が良くなってきたことで、表現がしやすくなり、また絵の上手い下手や、時間的な制限を受けることなく心の中にあるものをビジュアルで表現できるとうことが利点です。僕の研究ではこの写真投影法を使って50人に「人生において大切なもの」の写真を選んできてもらっています。

写真投影法2(出典http://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/attached/6324_52317_ref.pdf)
写真投影法(Photo Projective Method: PPM)とは、写真による環境世界の投影的分析法である(野田正彰『漂白される子供たち』情報センター出版局.1988)。この方法では、調査対象者にカメラを渡し、何らかの教示を与えて写真を撮らせる。そして写真に撮られたものを、自己と外界との関わりの反映と見なし、認知された環境(外)と個人の心理的世界(内)を把握、理解しようとする方法である。PPM は、環境学や地理学、心理学などの学問領域で注目されている。これは、これまで言語レベルでの測定によってしか知りえなかった撮影者の視覚的世界や心理的世界が、写真という視覚的データを介して垣間見られるからである。写真調査の教示―レンズ付きフィルムを渡し、「○○大学での1週間をこのカメラで撮影してください」と教示を与えた。写真ごとに、「何(を行っているところ)を撮影したのか」、「その時にどのように感情をもったのか」について記述するよう求めた。

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