古井由吉の文章について

大学入試の国語の問題などは、どのようにして選ばれるのであろうか。入試は情報が外に漏れないようにするのが重要課題なので、教員皆で相談するというよりは、出題者の教員の選択に任されることが多いのではないか。すると勢い、出題者の教員の好みで題材が選ばれることになる。

I氏からの情報によると、古井由吉の文章が大学入試で出題されることは多いという(下記)。これは驚きである。古井由吉の文章は独特で慣れないととても読みにくい。それに情景の描写と心理描写が入り交じり、何を言っているのか理解するのに苦労する。特異な人、マニュアックな人でないと好きになれない。それが入試によく出るということは、国文学者の古井ファンが国語の入試問題を作り、自分の好みの文章を選んでいるとしか思えない。古井由吉ファンとしては、それはうれしいことであるが、一般の受験者にその好みを押し付けるのはいいことなのかと、少し疑問に思う。                『杳子』の名文だが、わかりにくい冒頭部分を出題している大学もある(添付参照)

追記 古井由吉の文章も、初期以降は読みやすくなっているのかもしれない。「夜中の納豆」(「聖なるものを訪ねて」平成17年収録)などの文章は読みやすく味わいも深い。入試問題の設問もよい。

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[手元のデータから最近10年ほどで以下のよう](I氏からの情報)

2016 九州大学 (前期-教育・法・経済) 古井由吉「「時」の沈黙」/2009 和光大学 (02-02) 古井由吉「「聖なるもの」の行方」/2018 京都大学 (前期-文系) 古井由吉「影」/2009 大東文化大学 (02-08) 古井由吉「楽天の日々」/2015 福島大学  古井由吉「机の四隅」/2009 和歌山大学 (前期-教育・観光) 古井由吉「西念は黙って寝たか」/2009 明治大学 (情コミ) 古井由吉「辻占」/2008 南山大学 (02-11) 古井由吉「表現ということ」/2007 関西学院大学 (02-06 文) 古井由吉「夜中の納豆」/2008 東邦大学 (02-06 理) 古井由吉「杳子」/2009 九州産業大学 (01-30) 古井由吉『ひととせの』/2018 西南学院大学 (02-06) 古井由吉『楽天の日々』/2008 関東学院大学 (03-06) 古井由吉『言葉の呪術』/2011 津田塾大学 (02-06 学芸) 古井由吉『始まりの言葉』/2009 早稲田大学 (社会科学) 古井由吉『始まりの言葉』/2016 立教大学 (02-11 文) 古井由吉『聖なるものを訪ねて』/2009 武蔵大学 (02-07) 古井由吉『聖なるものを訪ねて』/2010 明治学院大学 (02-09) 古井由吉『先導獣の話』/2015 山梨大学  古井由吉『大人と子供の文学』/2011 南山大学 (02-13) 古井由吉『島の日』/2015 日本大学 (02-15 文理) 古井由吉『半自叙伝』/2015 立命館大学 (02-07) 古井由吉『半自叙伝』/2007 熊本大学  古井由吉『野川』/2015 成城大学 (文芸) 古井由吉の文章 font:minor-lat

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