原民喜のこと(その2)

今日(21日)の朝日新聞の『天声人語』は、センター試験に出た原民喜の文章について取り上げていた。

「受験生は眼光紙背に徹するように読み、作者の「言いたいこと」を熟慮せねばならない」「普段の読書とは段違いの集中力で臨むのが入試である。美しい文章、深みのある文章に出会った時の印象もそれだけ強くなる」「描かれたのは一人の青年だが、背後にある無数の青年の命について考えさせられる」という指摘に共感する。

入学試験の文章 :普段の読書とは段違いの集中力で臨むのが入試である。美しい文章、深みのある文章に出会った時の印象もそれだけ強くなる▼そんな経験はもちろん受験生でなくても味わえる。お手元におとといの朝刊があれば、センター試験の国語にある原民喜(たみき)の「翳(かげ)」をぜひお読みいただきたい。のんびりした日常が、日中戦争でじわじわと変わっていく様子がそこにある▼作者の家に出入りしていた魚屋の青年は人なつっこく、周りに愛されていた。そんな彼が軍服を着て満州に渡り死に至る病を得てしまう。「善良なだけに過重な仕事を押しつけられ」たのではないかと作者は思いを巡らせる。描かれたのは一人の青年だが、背後にある無数の青年の命について考えさせられる。(朝日新聞 2020年1月21日朝刊「天声人語」より1部転載)

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