外国籍の子どもの教育に関して

今まで、私は、子どもの権利条約の批准などを考えると、子どもは外国籍であろうと、どこにいても平等に教育を受ける権利があると考えてきた。それは、私だけでなく、文部科学省の『教育白書』(令和4年度版)にも、外国からの子どもの受け入れに関して、その意義と必要に関して、記載されている(下記に、一部転載)。

<外国人高校生の受入れー文化や伝統、生活習慣の異なる同世代の若者が交流を深めることは、広い視野を持ち、異文化を理解し、これを尊重する態度や異なる文化を持った人々と共に生きていく資質・能力を育成する上で重要です。文部科学省では、民間の高校生留学・交流を扱っている団体を通じて、海外で日本語を学習している外国人高校生を6週間程度日本に招致し、日本の高等学校への体験入学等を行う「異文化理解ステップアップ事業」を実施しています。令和4年度は15か国108人の高校生を招致しました。また、平成30年度から、アジアで日本語を学ぶ高校生を日本全国の高等学校に招聘する「アジア高校生架け橋プロジェクト」を実施しています。令和4年度は、20か国から247名の高校生が10か月間、ホームステイや寮生活をしながら、日本の高校生と共に学び合い、国際交流を深めました。さらに、5年度は留学生と日本人生徒が参加する国際交流キャンプを実施し、英語交渉や文化発信を含む、高度で効果的な交流を促進していきます。/外国人の子供たちについては、将来にわたって日本に居住し、共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提とし、教育機会の確保・保障に向けた就学促進や日本語指導をはじめとした指導体制の充実等を図ることが重要です。>(『教育白書』令和4年度版)

しかし、それは、義務教育までが主、そして少数の数の話だろうと思っていた。ところが、現実は違ってきているようだ。日本の高校に、中国から生徒が数多く入学するようになっているという下記の「東洋経済」の記事を読んで、少し驚いた(その一部転載)

<日本の高校で中国人留学生が増え続ける仰天事態、過当競争の中国と少子化ニッポンの利害が一致/中国から日本の中学校や高校に留学する「低年齢留学」が増え始めた。背景にあるのは、中国における教育環境の悪化と日本の過疎地が直面する超少子化だ。/生徒の5割が中国人留学生にー房総半島の南部に位置し、太平洋が目の前に広がる鴨川令徳高校(千葉県鴨川市)の教務担当は、「10年ほど前から中国人留学生を受け入れるようになっており、生徒全体に占める割合が50%ほどになっている」と話す。校内には中国語が話せるスタッフもいる。/明徳義塾中学・高等学校(高知県須崎市・土佐市)の担当者からは、全校生徒1000人近くのうち250人ほどの留学生がおり、そのうち中国人留学生は約200人」との回答があった。つまり、中国人の比率は2割ほどということだ。/また、岡山県の山間部に位置する中高一貫の朝日塾中等教育学校(岡山市)の国際交流部長は「6学年全体で中国人留学生が3割を占めているが、高校に該当する3学年では3割を超えている」と話す。こちらには教員と事務を兼ねた、中国語が話せるスタッフがいるそうだ。/「(中国人留学生は)徐々に増えてきています。バックグラウンドが違う他者との触れ合いは大切なので、計画的に入れていこうということです。エージェントや中国での姉妹校を通じて募集しています」(同前)/中学生の場合は子どもの生活を支える監護者が必須となるため、留学のハードルが上がる。そのため受け入れが進んでいるのは高校生だ。特に中国人留学生の受け入れが多いのが、寮を備えた地方の高校だ。/楽商ジャパンは高校留学に関して中国でのマーケティングや日本語教育から試験のアレンジまで一手に担う留学エージェントだ。同社の袁列・代表取締役は、「ここ10年で中国人高校留学生は大体10倍になった。10年前には積極的に受け入れる高校は日本全国で4校程度だったが、今では20校以上になっている」と明かす。>舛友 雄大 [東洋経済]2024年5月19日.https://toyokeizai.net/articles/-/754566?display=b)

少し前、定員割れの日本の大学は、外国の留学生を受け入れ、定員を埋めていた。国の留学生の増加政策もあり、留学生を受け入れると国から高額な補助金は出ていた。留学生も授業料が減額されていた。その大半は中国からの留学生だったが、その後日本と中国の関係が悪くなり、中国人で入学する学生はほとんどいなくなった。それが、今度は日本の高校に中国人が押し寄せているとすると、それの意味することは、大学とは少し違うことのようにも思う。/ 今、日本の高校で、授業料の無償化が言われている。それが実現して、外国から日本の高校に多くの外国籍の子どもが入学するようになると、日本人の税金で、多額の教育費を外国籍の子どもの為に使うということで、これは、人道的とか教育の観点からはいいことだとしても、経済的にまた日本の国民感情からして、どこまで許容されることなのか、わからなくなると思う。/  大学の留学生の場合は、大学の授業料を本人や親が高額に払うとか、生活することで消費税を落とすとか、将来日本企業で働く人材になるとか、日本への好感情をもち国際交流に役立つとか、メリットはあるが、日本の高校に外国籍の子どもが通うようになる、日本に取ってのメリットはあるのだろうか。一方、これまで日本の子ども達も、アメリカなどの高校に無償で留学させてもらってきたことを考えると。そのお返しで、外国の子どもを(たとえそれがアメリカでなく中国であっても)日本の高校に快く受け入れることはその返礼(義務)のような気もする。人口減少の続く日本で、これから選択を迫られる問題でもある。

追記 今日本の建築業界で大工はじめ建築関係の技術者が不足して、新築や改築が滞り、値段も高騰していると聞く。日本の工業高校に外国から建築関係を学びたい人をどんどん入れ、人材不足を補ってはどうか。卒業後日本で働いてくれると助かるが、本国に帰ってその技術を生かしてもらってもいいと思う。

箱根のバス日帰り旅行

綺麗な箱根のツツジを見学という日帰りのバスツアー(千葉発)に一昨日(18日)、参加した。天気もよく、絶好の旅行日和であったが、ツツジの花はもう終わっていて、そのツアーの最大の楽しみは充たされることはなかった(添乗員の人からは、「花の命は短くて、苦労ばかり多し」という「説明」があった。その代り、箱根の新緑と、まだ少し雪を被った富士山の雄姿の見ることができた。添乗員からは「富士山の祭られている女神・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は、絶世の美人で、でも性格は悪く、自分より綺麗な人が来ると姿を現さない。今日は大丈夫のよう」という説明があった。芦ノ湖では遊覧船に短時間であったが乗ることができた。箱根湯本の商店街の散策や湯本富士屋ホテルの温泉入浴もあった。千葉から箱根へは、バスは湾岸を使い羽田、横浜、御殿場を経由して芦ノ湖、箱根湯本、帰路というルートだったようで、渋滞もなく、快適な1日のバス旅行であった。特に70歳代の女性のベテラン添乗員の人の話が面白く、どのような職業でもそれを極めた人は魅力的と感じた。その人は、1つの会社の添乗員を20年以上勤め、定年後もその職が好きで今のバス会社の添乗員をしているとのこと。バスの旅行は人生と同じように、予定とは違ういろいろなことが起こり、(安全第一、契約を守るが必須だが)、負の出来事をも、それが起こるのも必然と考え、対処することが大事とことだった。(途中で大雪が降り、電車でバスの乗客と帰ったことや。東北の震災の時の大変さの話も興味深かった)

KODAK Digital Still Camera

テニスの上達方法

最近は暇で、卓球の他、テニスをすることも多い。私の歳では上達は望めないが、一緒にやってくれる人に迷惑をかけない為には、少しでもミスを少なくしなければならない。テニスの上達方法を、Bing Chatに尋ねてみた。その回答を転載する。

回答ーテニスの上達には練習と基本的なフォームの習得が重要です。中級者の方がさらに上達するために、以下のポイントを参考にしてみてください。/基本的なフォームを確認しましょう:ストローク、ボレー、サーブなどの基本的なショットのフォームを徹底的に練習しましょう。正しいフォームを身につけることで、ボールをコントロールしやすくなります。スタンスや体の向き、ラケットの振り方などを意識して、練習を重ねてください。/ウォームアップとストレッチ:練習前にウォームアップとストレッチを行い、体を温めて柔軟性を高めましょう。怪我を予防するために重要です。/練習メニューの流れ:ウォームアップから始めて、素振りやストローク、ボレー、サーブの練習を行います。練習メニューの流れを把握しておくことが大切です。/自主トレに取り入れたい練習器具:サーブアップやマイオートテニスなどの練習器具を活用して、効率的に練習しましょう。/ラケット選び:ラケットは力が伝わりやすいものを選びましょう。初心者向けのラケットから、少しずつアップグレードしていくことをおすすめします./イメージトレーニング:ラケットを持った状態でイメージトレーニングを行うと、実際のプレーにも効果があります。試合前にイメージトレーニングを取り入れてみてください。/継続的な練習:テニスは継続的な練習が必要です。週に何回かテニスをすることで、徐々に上達していきます。/テニスは楽しみながら練習することが大切です。自分のペースで取り組んで、少しずつ上達していきましょう!🎾✨

Q
“How can I get better at tennis? I want to be a little better.”

A.

Certainly! Improving your tennis skills is an exciting journey. Here are some tips to help you enhance your game:/ Advanced Techniques: Once you’ve mastered the basic tennis shots, consider incorporating advanced techniques into your game. These techniques can elevate your skill level and make you a more formidable opponent on the court1. Some examples include:/ Serve and Volley: Work on your serve and practice moving forward to the net after serving. This aggressive approach can catch your opponent off guard./ Topspin and Slice: Experiment with different spins on your shots. Topspin shots dip down quickly, while slice shots stay low and skid off the court./Drop Shots: Develop touch and finesse by practicing drop shots. These shots are effective when your opponent is far behind the baseline./Approach Shots: Learn how to hit approach shots to set up an easy volley or overhead smash./Unconventional Drills: To keep your training fresh and challenging, incorporate unconventional drills that can enhance your skills in ways traditional practices cannot. For example:/Shadow Tennis: Imagine playing against an opponent and practice your footwork, strokes, and positioning without a ball./Reaction Drills: Use a reaction ball or have a partner randomly feed balls to improve your reflexes./Target Practice: Set up targets on the court and aim for specific areas to improve your accuracy2./Equipment and Strings:/Consider using arm-friendly tennis strings. For intermediate players who suffer from tennis elbow, strings like the Wilson NXT Soft are a good choice. These synthetic multifilament strings provide comfort and reduce strain on your arm3./Remember to practice consistently, focus on your weaknesses, and enjoy the process. Tennis is not only about physical skills but also mental resilience and strategy. Keep playing, and you’ll see progress! 🎾😊

本(書籍)のカバーについて

日本の本(書籍)をみると、ほとんどに表紙とは別に意匠を凝らしたカバーがついている(雑誌にはない)。本を読む時は、このカバーが邪魔になることが多い。これは販売の為なのであろうか、それとも本棚に並べる時の見栄えの為なのであろうか。外国でも同様なのであろうか。また図書館ではこのカバーはどのようにしているのであろうか。生成AIに聞いてみた。チャットGPTの回答ははてな(?)という感じて、Bingチャトの方に納得(以下Bingチャトの回答の転載)

質問1―日本の本(書籍)には大抵カバーがありますが、図書館では、カバーははずして置かれていますか?

Copilot回答―はい、図書館の本には一般的にブックカバー(またはブッカー)と呼ばれる透明のフィルムが貼られていることが多いです。このフィルムは、資料を受け入れた際に図書館員が一冊ずつ行う作業の一部であり、一般的に「ブッカーかけ」や「ブッカー貼り」とも呼ばれています1。この作業は、資料の納入業者に依頼する図書館もあれば、手作業で行う図書館や学校図書館もあります。/ブックカバーフィルムを貼ることにはいくつかのメリットがあります:紫外線から資料を守る: 窓の多い図書館や学校図書館は明るく開放的ですが、紫外線は資料にとって大敵です。ブックカバーフィルムは紫外線をカットし、資料の劣化を抑えて長期保存を可能にします。/抗菌効果と除菌・消毒: 図書館の資料は多くの利用者が触れるため、アメニティB-コートと呼ばれるブックカバーフィルムは優れた抗菌作用を持ち、表紙の除菌・消毒を可能にします。/資料の傷みや汚れから守る: ブックカバーフィルムは資料の表紙を傷つけずに保護し、汚れがついた場合は拭き取ることでキレイに保てます。(以下略)

質問2―外国の本でも、カバーがあるのが一般的ですか? アメリカはどうですか?

Copilot回答―はい、外国の本でも一般的にカバーがついています。特にアメリカでは、本のカバーは重要な要素となっています。それでは、外国の本のカバーについて詳しく説明しましょう。/国際的な本のカバーについてのポイント:異なるカバーデザイン: 国際的な本のカバーは、国や地域ごとに異なるデザインを持っています。たとえば、アメリカで出版された本が英国で出版される際には、異なるカバーが使われることがあります1。これは、市場ごとの好みや文化的背景の違いを考慮して、読者にアピールするために行われています。/カバーのデザインとマーケティング: カバーは、本の内容を伝えるだけでなく、販売戦略においても重要です。カバーのデザインは、読者の目を引き、購買意欲を高める役割を果たします。アメリカの出版社は、世界的な英語圏での出版権を保持していることが多く、そのため異なる国で同じ本を出版する際には、カバーの再デザインが必要です。/文化的な配慮: カバーのデザインは、文化的な違いを考慮して行われます。色、シンボル、フォント、図案、登場人物の民族性など、ターゲット市場のカバーデザインに合わせて研究することが重要です。また、ターゲット市場の読者にコンセプトアートを送り、意見を聞くことも大切です/アメリカの本のカバーは、19世紀から現代に至るまで進化してきました。19世紀には出版社の装丁(publisher’s bindings)が登場し、印刷可能な布カバーが一般的になりました。この時期には、エンボス加工や金箔、多色のリトグラフなど、さまざまなカバー印刷技術が使用されました。これにより、カバーデザインが芸術的な領域として発展しました。/アメリカの本のカバーは、タイトルや著者名だけでなく、カバーアート、カラースキーム、タイポグラフィなどの要素で読者にアピールしています。

追記1―(上記に関して下記のようなコメントが寄せられた)/本のカバーに関してはヤフー知恵袋にいろいろ出ています。大事なのは本の中身です。大学図書館は、大学としての教育と研究活動のための図書館です。カバーや帯で本文の学術的な価値は変わりません。加えて、カバーを付けると手間やコストが増えます。公共図書館とは本の使われ方も違い、フィルムを貼って耐久度を上げないと本が持たないということもありません。資料によっては、公共図書館と同様の装備をする大学図書館も増えています。ただ、今では、教育や研究に関係のない本を置いて学生を呼び込む大学図書館もあります(k)。

追記2―(ヤフー知恵袋の記事)質問;本にカバー的なのが基本的に付いてるじゃないですか?あれって邪魔じゃないですか?何のためにあるのでしょうか。そのカバーを外すと絶望的にダサい色になってたりする。/回答1; 美麗で個性的なデザインのカバーも込みで「本」だと思っているので、邪魔に感じたことは一度もないです。/ 回答2;本は、委託販売品で、売れなければ返品され、また再出荷されたりする。カバーなしの本だと、流通している段階で表紙に傷がついてしまい、再出荷のときの化粧直しでは直しようがなく、廃棄されることになり、原価が上がる。カバーがついている本なら、カバーの傷みで済み、カバーの交換で再出荷ができ、ロスが少ない.

自分の書いた文章や本の再読について

以前に書いた文章や出版した本を読み返すことはどのくらいあるのだろうか。村上春樹や藤原新也は、自分の書いた本を読み返すことはほとんどない、と言っていたように思う。藤原は多くの本を出版しているが、その本を手元に置いていないとも書いていた。

私は今回、たまたま研究仲間と昔一緒に書いた本(『キャンパスライフの今』玉川大学出版部、2003年)を読み返す機会があった。それを読みながら、「こんな文章を書いていたのか」とか「昔は大学や大学生に関してこのように考えていたのか」という感想をいだいた。同じく同書を読み返してくれた人がいて、その感想がアマゾンのコメント欄に掲載されている。(以下そのコメントの転載)

20年を経て見えたものー武内清編『キャンパスライフの今』(玉川大学出版部)が発行されたのは2003年でもう20年の時が過ぎている。当時院生の私はすぐに手に取った。教育社会学の基本をきちんと備えて、しかも学問書であっても都会的なお洒落な雰囲気の素敵な本だと思った記憶がある。本著には、「知性に裏付けられた優しさ」がある。/ そして2024年の今、必要があって本著を探した。私はこの間何度も転居を重ねていて自宅の乱雑な本棚からこの本を探すことができず、学部を卒業した慶応大学の図書館でこの本に向き合った。 改めて読み直すと、20年前には感じることができなかった読後感を持った。/ まずは非常に緻密な研究書であるということである。「大学生文化研究会」の調査が元になっているが、これは1997年に19大学2130人と1998年7大学の454人へのアンケートや聞き取り調査が基盤になっている。ひとつのアンケートを実施するにも、大学の許可や担当教員の監督のもと、学生の協力を得ての実施にはどれほどの面倒があったことだろう。そのデータがさまざまな方向から考察され、データからの考察の生成が確実なものとなっている。また、全国大学生活協同組合連合会の調査など多くの大学生調査の資料が丹念に検討されている。教育社会学の訓練された研究者たちならではのデータと資料の分析である。こうしデータや資料の分析から当時の「キャンパスライフの今」が描かれている。/ 第9章(渡部真)には、「非行や犯罪、精神疾患など心配しなければならない状況におかれている青少年と対極に今の大学生は位置している」とある。大学生は特権的で恵まれた階層であるのがさらりと述べられている。この感覚は当時大学に院生として在籍していた私には皮膚感覚としてよくわかる。/ 15章(岩田弘三)の統計の中にも「『修学継続困難』の中身」として娯楽嗜好費があげられ、これが大学生にとって「健康で文化的な最低限度の大学生活」の維持に欠かせないとされている。/ この事象のみならず、大学生活が多方面から視点をあてられ、キャンパスの様子がいきいきとわかる構成になっている。今、読み直すとそれぞれの学生には困難や苦悩はあったろうが、概観として豊かな時代であったことが感じられる。/ 翻って現在はどうだろう。経済的な難しさが言われて、大学生もその困難を免れない者が多くなっている。コロナのせいもあるとはいえ、誰もが名前を知っている大学で食料配布が行われたニュースが相次いだ。豊かな学生が集まっていると言われている慶應大学で2024年には経済的困窮の学生に定期的にワタミのミールキットを無料配布するという発表には心底驚いた。全国の大学では奨学金の問題も大きくなるばかりである。/ おそらくそれと表裏に、名門大学には有名私立中高一貫校からの進学者がほとんどになっている。かつては地方国立大学の独壇場であった地方銀行に就職できるのが都内名門大学出身者に代わっている。もちろん日本を代表する大企業へのアクセス権は都内名門大学のみになっていると言っても過言ではない。/ このような事態がどうして起こったのか、またそれが肯定されるべきことかどうかわからない。おそらく教育社会学の研究手法、分析手法もこの20年で大きく変化してより緻密な研究成果が期待できるだろう。であるなら、今再びの「キャンパスライフの今」を期待する。多くの教育社会学者よ、どうか今のこの衰退に向かっているしかない日本の突破口になるべく再びキャンパスを論じて欲しいと強く願うばかりである。/ 恐ろしいほど整備され、恵まれた生育で気持ちも良い学生たちが黙々と勉強している三田の図書館でそんなことを思った。(小林かをる)