東京駅のイルミネーション

いつも、東京駅は地下鉄からJRへの乗り換え駅に過ぎない。人が多く、雑然として、ただ、足早に通り過ぎるだけの場所である。
今日は、10分だけの贅沢をしようと、東京駅で乗り換えの途中で、丸の内側を、地上に出て見た。そこは、乗換の地下通路とは違った、素敵な世界が広がっていた。

夫婦で久しぶりの東京

 家の中で犬(ソフィー)を飼っていると、家族全員で出かけることが難しい。3~4時間なら、犬は、何とか家の中で留守番しているだろうが、それ以上の時間は無理である。それで、勢い家族で旅行などの時は、誰かが犬と家に残ることになる。その役割は、私に押し付けられることが多い。妻と娘はそのようにして、よく海外に旅行したり、コンサートに行ったりして、私は犬と留守番である。
 私と妻とが一緒に出かける時は、近所での短時間の買い物であったり、ファミレスであったりする。あるいは、犬を一緒に車に乗せて、海(稲毛海岸、御宿)へ行ったりする。したがって、夫婦で遠出はもちろん、千葉県を出て東京に行く機会はほとんどない。
 それが、一昨日(12月23日)は、たまたま娘の出した応募が当たり、娘が犬の世話をするというので、夫婦で東京の青山劇場で開かれている「アニー・クリスマスコンサート」に行った。
 ミュージカル「アニー」(http://www.ntv.co.jp/annie/)については、私はほとんど知らなかったが、妻は、出演者の子ども達のオーディションや練習についてテレビでいろいろ見ていたようで、その出演者と音楽も楽しみにしていた。
 千葉の自宅から、渋谷近くの「青山劇場」までは、車で高速でレインボーブリッジを通り、1時間弱で着いた。さすがに日曜日いうことで青山通りは、大変なにぎわいで、それに千葉と違い、おしゃれな人と車(純白の素敵ポルシェも見た)が多い。
 「アニー・クリスマスコンサート」は、東京の山の手の御嬢さんが母親と見に来たという感じの人が多く、私たち二人は少し場違いであったが、ステージはなかなかよかった。
 2011年と2012年の「アニー」のメンバーが勢揃いで、生の演奏に合わせて、ダンスと歌をたくさん披露してくれた。今の日本の子どもや若者の歌とダンスの上手さには感心させられた。
 コンサートの後は、国連大学の前で開催されている「ファーム・マーケット」を見て回り(アメリカでよくこのような催しがあった)、おしゃれな青山学院の構内を歩いた後、駐車場に向かう途中にあったイタリアンレストランに入った。たまたまそこがオープンしたばかりの店ということで、雰囲気もピザやスパゲッティの味も、コーヒーも美味しかった。
 妻と東京に一緒に行ったのは、本当に久しぶりで、次回はいつになることか。

クリスマス・イルミネーション

放送大学東京文京学習センターの客員としてご一緒している神野藤先生より、足利フラワーパーク(http://www.ashikaga.co.jp/season/season08/index.html)にいらした時の写真を送っていただいた。そのイルミネーションの素晴らしさと、先生の写真の腕とがマッチして、幻想的な世界を醸し出している。その一片を掲載させていただく。

放送大学について               

現在、放送大学・東京文京学習センターの客員教授としても、勤めている。
私の放送大学との付き合いは長い。かれこれ30年以上になる。面接授業は、放送大学が千葉幕張に開校して以来、千葉学習センターの面接授業を20年以上担当した。初期の頃は、放送教材と面接授業がセットになっていた。確か私の担当した科目は「現代社会と教育」新井郁男先生や岡崎友典先生の番組のセットのもの)だったと思う。平日の夕方6時過ぎから8時過ぎまで4週に渡り講義して、受講生は50人を超えた時もあったが、最後の方は、2~3名の時もあった。最後はよく学生と食事会に行った。
卒論論文も必修で、その指導も、手伝った。文京学習センター専任の岡崎先生の手伝いで、何年か行い、指導の学生に上智大学の私の研究室に来てもらったり、代々木オリンピックセンターで合宿したりしたのが懐かしい。その後修士論文の指導もして、それは今も続いている。
番組作りは、『子ども・青年の生活と文化』(テレビ、心理学の藤崎先生と共同)、『子ども・若者の文化と生活』(ラジオ,岩田弘三先生と共同)の主任講師のほか、深谷昌志先生、新井郁男先生のテレビ番組に出させていただいたことがある。テレビは苦手という意識は最後まで消えなかった。
 4年前より客員教授として勤めている東京文京学習センターでは、また「子ども・青年の特質と教育」(単独)と「大学と学生支援」(小林雅之、岩田弘三、鈴木美伸氏と共同)の面接授業を毎年開講している。その他に幅広い分野から面接講師を探し、お願いして、担当していただいている。面接授業科目を見ていただければ、多彩な名前が並んでいることがわかる。
教育に関する「自主ゼミ」も、月に2回ほど開講し、活発な議論が続いている。
放送大学の存在は、意外と一般に知られていない。暇な方は、番組を見たり聞いたり、学習センターを見学されることをお勧めする。(内容のレベルは、一般の大学と比べ遜色がない。いや、それ以上だと思う)。
文京学習センターは、昨年全面改築になり、レンガ作りの外装だけでなく、中のインテリアもおしゃれで明るく、設備も充実している。一度、見学においで下さい。

1冊の本(敬愛大学国際学部忘年会、スピーチ )

 私がサイン会に並んでサインをもらった著者が一人います。それは写真家・評論家の藤原新也です。それだけ、ファンということです。同世代ということもありますが、氏の書いたものに共感させられ、「こういうことだったのか」と腑に落ちてしまうことがよくあります。
 今回(12月18日)、国際学部の教員の「本の交換会」(各自好きな本を1冊持ってきて、ランダムに交換する)ということなので、氏の本を選びました。
藤原氏は、日本のこと(現代の世相や若者、福島等)にさまざまかかわっているので、土着的な人のような印象を受けますが、極めて国際的な人です。特に、アジア(特にインド)の視点を持った人です。
 <アメリカ人は道ですれ違う人に挨拶するフレンドリーな国民と言われていますが、彼らとそれ以上の親しさは深まらないのに対し、インドでそのような挨拶を交わす関係というのは、一生の友人のような関係になります。>このようなことをどこかで(多分『アメリカ』?)で書いていたと思います。
今回選んだ、『なみだふるはな』(河出書房新社、2012)は、『苦海浄土』を書かれた石牟礼道子さんとの対談で東北地震・福島原発に関して論じたものです。
「長年にわたって危機にさらされる普通の人々の生活と命。そして、罪なき動物たちの犠牲。やがて母なる海の汚染。歴史は繰り返す、という言葉を、これほど鮮明に再現した例は稀有だろう」序文で、述べられています。
国際学科の先生方の「本の交換会」ということなので、私がファンの人で、アジア的な視点から、現代の問題を考えられる藤原新也氏の本を選びました。

<追記> このブログを読んだ、知り合いの先生から、次のようなコメントをいただいた。過分なお言葉に深く御礼申しあげる。

先生の藤原新也好きは、よーくわかっておりました。『朝日カメラ』だったかで見た、暗い色調から浮かび上がるように犬が死体に食いつく映像。彼の写真から、放浪記を読み出すようになったと記憶しています。『全東洋街道』あたりからでしょうか。その文章と野性に魅了されました。
藤原新也が好きな武内先生。きっと僕が知らない、好奇心、冒険心、野性へのあこがれをたっぷり抱えもった先生の一面がおありになるのだろうと思ってます。
メリー・クリスマス そしてよい年をお迎えください。