学習指導要綱と教育現場の乖離について(英語の場合)

文部科学省が作った学習指導要領が教育現場でどのように受容されているのであろうか。それの実証的な研究はあるのであろうか。それは、教科によってもかなり様相が違うのでないか。そんなことを思いついたのでメモを残す(既に研究があるかもしれないが)。

英語の場合で考えてみたい。学習指導要領では、中学や高校で英語による授業が推奨されていると思うが*、現場の中学や高校でそれが実施されているところはまだごく一部だと聞いたことがある。 この乖離は、現場の実情を知らない文部科学省の身勝手な政策のせいと考えるか、会話が重視される時代の流れに疎い現場教師の怠慢と取るかということは、興味深いテーマだと思う。 英語の場合は、現場教員の語学力(特に英会話力)と英語教員の意識によって(入試もあるかもしれない)、文部科学省の考えが、現場に浸透していかないのかもしれない。 また、教師用の指導書には、英語で教育するプリントやCDの資料が豊富に載っているようだが、それを使いこなせるかどうかは教員の力量にかかっている。

一方一般的には、最初は中高校生には基礎的な文法は日本語でしっかり教える必要はあるし、学力レベルが低い中・高校生に英語による授業では理解は無理と考えるのが普通であろう。

しかし、そうではなく、どのようなレベルでも、英語による教育が可能であると考えるグループの人たちもいる。実際の高校で、英語による教育の実践をしている高校もあるが、その数は少ないという。高校の授業ではないが、NHKの高校生向けのラジオ基礎英語教育の番組で、英語による教育を実践していて、それ公開しているものがある(https://www2.nhk.or.jp/gogaku/eigodekiso/)。            それを聞くと、高校現場の英語による授業の様子も、このようなものなのかとよくわかる。このようなものを手掛かりに、この問題をもう少し検討してみたい。(以下 上記サイトより一部転載)

<この番組は、「英語で英語を学ぶ」ことを通して、「英語を話すための力を身につける」ための1週間限定のプログラムです。  単語や文法には主眼をおかず、基本的な文法学習を終えた高校生、大学生、そして社会人の皆さまが、話したい内容を効果的に英語で伝えるコツをつかむことを目的としています。1週間を通して扱うテーマは、「バレンタインデーの義理チョコは必要かどうか」です。  番組では、高校生や外国人旅行者の意見、バレンタインデーの歴史なども紹介しながら、義理チョコに関する意見をきいていきます。ぜひリスナーの皆さんも自分ならどちらの意見に賛成するかを考えながら番組をきいてみてください。

Welcome back to “Learn English in English”! This is a special program to help you become a better English speaker. I’m Dario Toda. Kellie And I’m Kellie Holway. Momose                                 Hi, everyone. I’m Miho Momose. This program is in English. But don’t worry. We will be here to support you.

https://www2.nhk.or.jp/gogaku/eigodekiso/)。

*(3) 英語に関する学科の各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を 充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行う ことを基本とすること。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮する こと