NHK『鶴瓶の家族に乾杯』の前提について

NHK総合テレビで 隔週 月曜日 19:30~20:43に放映されている『鶴瓶の家族に乾杯』は、見ていて楽しい。鶴瓶というお笑いタレントのボスと、有名な女優やタレントやスポーツ選手等が、予告なしに田舎の家族を訪ねる番組である。訪ねられた人や家族はこんな有名人が身近なところに来たことに驚く。鶴瓶の関西風(弁)のトークも人々に親しみを持たせ、有名タレントがいつもの高みからではなくへりくだった姿勢から見知らぬ人に頼みごとをする戸惑いの表情も見ていて楽しい。高みにあった人が下に降りいて、有名人が庶民と対等に話すという設定が面白いのかもしれない。(結局は鶴瓶や有名人ゲストとわかり、関係はもとに戻るのだが)

ところが先週の鶴瓶と貫地谷しほりの「家族の乾杯」は、ニュージーランドがロケ地であったため、いつもの原理が全く働かず、鶴瓶と貫地谷しほりは苦労していた。鶴瓶と貫地谷しほりの知名度はニュージーランドでは皆無であり、NHKのことも知られていない。現地の人との会話は通訳を介しているので鶴瓶のトーク(コミュニケーション)の冴えもないし、ゲストもそれほど目立つ人というわけではないので、ニュージーランドの人からすると、変なアジア人が突然話しかけてきたとしか思えず、淡白な扱いがされる。見ている方も痛々しく、途中でチャンネルを回しそうになった。後半、親切なニュージーランド人家族2組に出会い、家に招かれ家族の話を聞かせてもらったので、何とか「家族に乾杯」の番組の形にはなったが、いつもの番組の冴え、面白さは全くなかった。

ただ、逆にこの海外(ニュージーランド)ロケによって、日本でのロケ(番組)が、どのような前提(有名人と庶民との上下関係)で成り立っているのかが鮮明にわかり、興味深かったとは言える。(以下、ネットより番組の紹介)

<番組の概要―『鶴瓶の家族に乾杯』は、NHK総合テレビで 隔週 月曜日 19:30~20:43に放送されている、バラエティ番組です。今年で23年目。レギュラー出演者は、司会:笑福亭鶴瓶さん、アシスタント:小野文恵アナウンサー。番組のテーマ曲(オープニング&エンディング曲)は、さだまさしさんの「Birthday」。「家族」をテーマにして、司会の鶴瓶さんとその時々のゲストが旅人として田舎を訪れ、地元の人々と触れ合いながら旅をしていく内容で、NHKによると、『この番組は、鶴瓶さんとゲストが、ステキ(素敵)な家族を求めて日本中をめぐる、“ぶっつけ本番”の旅番組です。』

 貫地谷しほりと行くニュージーランドぶっつけ本番旅―二人の旅は、オークランドから北へ1時間ほどの場所にある、Snells Beachからスタート!。鶴瓶さんは、ビーチで犬を遊ばせていた男性に話しかけてみますが、あまり話が弾みません。次に、ウォーキング中の女性に挨拶しますが、『ウェルカム』と返されただけで素通り・・・。各家の敷地がとても広い上に、周りには柵が張り巡らされていて、勝手に敷地内に立ち入ることが憚られ、さすがの鶴瓶さんも、アポなしで訪ねることは出来ません。貫地谷さんは、パン屋の店員のベッドリーさんに話を聞くと、自宅はここから車で10分ほどの場所にあり、母親と弟の3人暮らしだそうです。そこで貫地谷さん、エコな生活に触れたいので、お宅に訪問させて欲しいとお願いしますが、プライバシーの問題があるからと断られてしまいました。”最後の頼みの綱”と、「Brick Bay Wines」を訪ねることに。しかし受付で、オーナーの撮影許可が無いことには中に入れられないと、断られてしまいました・・・。うな垂れる鶴瓶さん、『23年間この番組をやってきて、こんなに難しいのは初めて』と、辛い心情を吐露。(以下 略)www.ohtashp.com/topics/kanpai/contents20190805.html