ドラマへの感情移入

醒めている現代は、ドラマをみて感情移入することはほとんどなくなっているのではないか。
そうはいいながら、先週最終回を迎えたNHKの朝ドラ「半分、青い。」(https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/ )で、ヒロイン鈴愛の親友・裕子が東北の震災・津波で命を落としたということが知らされた場面では、さすがに悲しくて涙を流した視聴者も多かったという。朝一の女性キャスターも涙ぐんでいた。考えてみると、これはドラマ上のことなのにすごいなと感じた。
その原因を考えてみると、次のようなことが上げられるのではないか。
第1に、鈴愛を演じていた永野芽郁の名演技である。彼女の悲しみが視聴者に伝わってくる。
第2に、子どもや若い人の死に関しては、高齢者の死と違い、心痛むものがある。(裕子を演じた清野菜名の印象も強かったのかもしれない)
第3に、今数年経って忘れかけていた東北の大地震・津波の犠牲者を思い出し、その無念・悲しみに、人々が思いを馳せたということであろう。
「半分、青い。」はなかなかいいドラマで、これが終わってしまったのはさびしい。