敬愛大学・シンポジウムのご案内

テーマ「多文化共生社会と日本」

日時  2018年3月27日(火)13:00~17:40

場所  JR千葉駅ペリエ千葉7Fペリエホール Room C   
参加費 無料

開催趣旨・研究背景 13時〜13時20分
「最新の日本の入国管理動向を踏まえて」水口章(敬愛大学教授、法務省難民審査参与員)

基調報告1 13:20-14:30 「多文化教育の国際比較」
松尾知明先生(法政大学キャリアデザイン学部教授)
ウィスコンシン大学マディソン校教育研究科博士修了(Ph.D)、 公立小学校勤務、浜松短期大学講師、国立教育政策研究所総括研究官等を経て現職。著書に『多文化教育の国際比較』(2017)、『未来を拓く資質・能力と新しい教育課程』(2016)、『21世紀型スキルとは何か』(2015)、『多文化教育をデザインする』(2013)など多数。

基調報告2 14:40-15:50「日本の学校文化と外国人の子どもの教育」
清水睦美先生(日本女子大学人間社会学部教授)
東京大学教育学研究科修了(博士(教育学))。東京理科大学教授等を経て現職。著書に『これからどうする-未来のつくり方』(2013)、『「復興」と学校』(2013)、『グローバル化・社会変動と教育』(2012)、『「多文化共生」は可能か』(2011)など多数。

実践報告 15:50-16:20
「外国につながりをもつ児童と小学校」佐々木淳先生(高浜第一小学校校長)
「義務教育における日本語教育の課題」元吉ひとみ先生(高浜第一小学校教諭)

パネルディスカッション16時30分〜17時30分
討論者:松尾知明先生、清水睦美先生、佐々木淳先生、元吉ひとみ先生
武内清(敬愛大学名誉教授、上智大学名誉教授)
    司会 、水口章(敬愛大学教授)

主催 敬愛大学総合地域研究所  後援 千葉県(申請中)
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会場準備の都合上、ご参加ご希望の方は、できればご一報いただければ幸いです。
申込み先:e-mail mizuguchi@u-keiai.ac.jp 
       ※お問合せ先:敬愛大学代表043-251-6363(国際学部 水口)
◎なお、定員になり次第、締め切らせていただきます。

敬愛大学シンポジウム(多文化共生)

学校と家庭・地域の役割分担について

学校教育と家庭・地域の教育の役割分担に関していろいろな意見がある。
アメリカの学校は教科指導が主で、それ以外の教育・指導は家庭や地域社会に任せている。それに対して日本の学校や教師は子どもの教育全てに責任をもち、教科指導だけでなく部活動や生活指導にも関与している。
それは、家庭が貧困他の理由で子どもの面倒をあまり見られなかった時代に、しっかりした子どもの教育がなされたということであろう。
しかし、それで日本の学校は担う機能が多くなり過ぎ、教師も多忙になり、これまでかかえていた機能を家庭や地域社会に戻そうと学校週5日制に踏み切った経緯がある。最近は「チームとしての学校」という考えで、教師の役割を少なくしようとしている。
そのような中で、学校が「食育」のみならず「服育」までやろうとする銀座・泰明小校の試みは、時代に逆行していると受け取られて当然であろう。さらに、今は、社会的格差や教育による階層の再生産が問題とされ、教育の平等をはかるために幼児教育や高等教育の無償化が検討されているなかで、無償化の逆をいくようなアルマニーの制服(標準服)を公立の小学校(が定めるというのには、驚きを世間に与えて当然であろう。(ただ、各学校が特色を出し、児童生徒を集めるという新自由主義的な学校選択制を取り入れる地区や学校もあり、公立学校といえども特色を出すというのは、時代に順行しているとも言える)

 新聞は、下記のように報じている。
http://www.tokyonp.co.jp/article/national/list/201802/CK2018021002000138.html
 卒業生が、2つの論点を寄せてくれた。
●そもそも公立の小学校に制服(標準服)自体、必要なのか? 現状として、公立の小学校で制服(標準服)はどの程度、導入されているのか?
●報道を読む限り、校長は明らかに独断先行で決定している。校長の権限はどの程度まで許されているのか?

私としては、校長の独断や好みというよりは、公教育とは何か、教育における選択制の問題、教育格差の問題など、いろいろなことを含む問題なので、いろいろなことが含まれた複雑なことと感じている。
親の立場からすると、お金がかかり過ぎるというのが一番だろうが、長く着られれば普通の子ども服の値段と変わらないし、毎日子どもに何を着せればいいのか悩まなくて済むと感じる人もいるだろう。(これは「服育」とは逆になるが)