上智大学の学生に講義をする

20年間勤めた上智大学を退職してから、もう7年以上が経つ。在職中は、学部では2つの講義、2つの演習(ゼミ)、大学院で2つの授業(ゼミ)を担当していたように思う。その他放送大学や非常勤2つの授業の担当を考えると、その頃は忙しい日々を過ごしていたのだと思う。

上智定年後は他の大学で教えることがあっても、上智大学の学生に教えることは全くなかった。それで、時々「上智の学生にも講義したいな」と思うことがあった。
今回、上智の中の1回の授業の中の一部の時間で、学生に話しをする機会を得た。7年半ぶりに、上智の学生の前で話した感想は以下のようなことである。

1 新しく出来た4号館がエントランスも素敵で、4号館の教室がきれいで、マイクの音響効果もよくなっていた。
2 200人も入る教室に60人くらいの学生が、バラバラに散開して座っていて、上智の学生の個人主義的傾向が伺われた。(学年も学部学科もいろいろなせいもあるが)。
3 したがって、講義内容に教室全体が一体となり聴き入るという雰囲気はなく(私の話し方のせいも多少ある)、個人個人が、自分のスタイルで講義をを聞くという感じであった。私語は皆無であるが、話し手としては少し物足りない。
4 学生に書かせるコメントをあらかじめ5つ用意した。配布資料や私の話を聞きながら、質問に答えるというリアクション方式を取った。
それへの記入状況を見ていささか驚いた。記入時間は講義中と最後の5分ほどであるが、ほとんどの学生が、各3センチほどの狭いスペース5箇所に小さな文字で4~5行ずつ埋めていた。その内容も資料や私の話を理解し、さらに自分の意見を述べているものが多い。上智の学生の理解力、文章力にの高さをあらためて認識した次第。