映画「ラ・ラ・ランド」を観る

映画というものを皆どのくらいの頻度で観ているのであろうか。テレビやDVDでみる映画ではなく、映画館で観る映画である。
私の場合は、若い頃はよく映画館にひとりで映画を観に行っていたが、だんだん行かなくなって(妻と行ったのも2度しかない)、近頃では3年に一度くらいになっている。この前に見た映画は、スタジオジブリの『思い出のマニ―』(2014年)だから3年前になる。
昨日(3月15日)は、研究室も片付き一段落したと思い、久しぶりに映画館に足を運んだ。ちょうど今年のアカデミー賞にたくさんノミネートされ評判の「ラ・ラ・ランド」を近く(千葉駅の駅前)の映画館でやっていたので入る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89

音楽とダンスはなかなかよかったが、映画の内容は、少しありきたりで(夢を追う若者が何度失敗してもその夢を追い続けると、その夢はかなう。その途中で傷つき、愛も諦めるという悲惨なこともあるが、夢を追いかけることはとても大切というわかりやすい主題)、映画の出来としては、アカデミー賞ものとは思えなかった。
夢と愛や生活との葛藤に関しては、以前に読んだ田村公人『都市の舞台俳優たち』(ハーベスト社、2015)の方が(こちらは社会学のエスノグラフィーだが)よく描かれていると感じた。

同じように夢を追い、その実現を諦めかけている(?)娘がその映画を観たというので、感想を聞いてみたら、「とてもいい映画だった。お父さんあの映画のよさがわからないの?」と、軽蔑されてしまった。
娘の場合は自分の体験と主人公たちの体験を重ねてみたのかもしれないし、人の感受性はそれぞれだから、いろいろな感想があってもいい。でも私の場合、歳による感受性の鈍りであれば、気を付けなければと思った。