学会の理事会(日本教育社会学会)

一昨日(1月7日)に、早稲田大学で日本教育社会学会の理事会と新年会があったので、久しぶりに東京に出かけた。 日本教育社会学会の理事は50名いて、そのうち70歳を過ぎている理事は竹内洋氏と私だけで、その日の出席者の中でも私が最年長だったと思う。幸い誰もそのようなこと気にしている風はなかったので、気楽に理事会の様子を観察した。 私はこの学会にM1の時から参加して、学会の諸先輩から多くのことを学び、また論文の執筆や就職などでもお世話になった。 現会長の近藤博之氏は、私が助手の時、3年次で、渡部真氏や小林雅之氏らと一緒に「教育社会学コース」に進学してきた人で、当時から自分の考えを持っているなという印象だった。 当日の学会の理事会は、近藤会長、中村事務局長のもとに2時間以上に渡り、紀要や会計や大会や国際交流について、真摯で活発な議論が展開されていた。出席者のメンバーをみると、今の教育関係の学会や教育研究の中心を担っているメンバーが理事として参加している。 ただ理事の参加者に、教育社会学専攻といっても教員養成系の大学で働く教員は少なく、今の教員養成の変革の中で教育社会学の理事会がどのような役割や運動をしていくべきかなどの話題は出ず、その点は物足りなかった。また、今の教育政策に批判ではなく、政策的な提言をしている人がいないなという印象ももった。 私自身はこの学会とのかかわりは40年以上と長いが、昔の理事会と同じようなことが議論されているのは、少し可笑しく、また懐かしく感じた。 その後の新年会での話題も、学会のこと、学問のこと、今の教育のことなど、いろいろ知的な刺激になる話が多く、学会はやはりいいものだなと感じた。 自分で調べてみたいテーマもいくつか思い浮かんだ。たとえば、今日本の大学で盛んに提唱されているアクティブ ラーニングは、大学教育の先進国のアメリカでは今ほとんど話題にされていないとアメリカに詳しいメンバーから話があり、その実際を調べてみたいと思った。アクティブ ラーニングなどのアメリカの大学の教授法が先進的なものとして日本で紹介されることが多いが、実際のところそれはアメリカでも一部の人が唱えているだけで、それがあたかも先進的・普遍的なものとして日本の研究者が紹介してだけかもしれないと感じた。教育のことではこのようなことはよくあるので気をつけないといけないと思った。

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