大学のゼミ(その2)-敬愛1年ゼミ

 

1年ゼミは、こども学科の学生だけでなく、国際学科の学生も一緒で、13名のゼミであった。学年全体での集まりもかなりあり(学内散策、スポーツ大会、講演2回)ゼミだけの集まりは⒑回程度であった。大学で学ぶ方法などの説明もしたが、ゼミでは、学生が大学に適応し、学生同士の親密度を高めることに工夫を凝らした。具体的には、一人ずつの自己紹介、1対1での4分ごとの自己紹介、好きな曲を持ってきて(スマホにスピーカを繋ぎ)皆で聴きながら曲の紹介などをした。 敬愛大学の創立の理念である「敬天愛人」(天を敬い、人を愛する)に関しては、大学から配布された2冊の本に関して、熟読してコメントを持参するように求め、それをもとにした話し合いをもった。

ただ、どうしたことか、今年は学生のノリがわるく、私一人がやきもきしているような状態が続いた。
最後は、各自8分間(質疑を含めると持ち時間12分)のスピーチを課し、それを文章化するように求めた。自分のスピーチの日に休んだものもいて(人前で話すのがよほどいやだったのかもしれない)、ゼミ全体では、あまりうまくいったとは思えない。

しかし、「敬天愛人に関して、本を読み、よく理解しました。このような崇高な理念のもとに作られた敬愛大学に入学したことに誇りを感じます」というコメントもあったし、最後のスピーチの内容は、それぞれが自己紹介と自分のこれまでを振りかえり、将来への決意を表明するものが多く、それなりの成果はあったと思う。 二人のスピーチを、例として掲載する。

いろいろなことに手を出して  F.T.
私は昔からいろいろなことに手を出してしまう傾向があります。まず、幼稚園の頃、体育館でやっていた新体操に興味をもちました。きれいな服にも魅かれましたが、一番はくるくる回すリボンを見て、私もやりたいと思い、はじめました。同時期に書道も始めました。鉛筆で字もまともにかけないのに、筆で字を書くというのはとても大変で、わからない字をひたすら書き大変だった記憶があります。
、小学生になり、新体操と習字を続け、沢山練習をつんで、二つともそれなりに自信をつけました。中学生になり、美術部と野球部のスコアラーのかけもちをしました。美術部では部長になり、野球部は運動部なのでとても大変でしたが、どちらともやり遂げることができました。
今度は調理の道に進みたくなり、県立高校の調理国際科に入学しました。そこでは、調理科の課題が多く本当に苦労しました。また部活動は、書道部と、野球部のマネージャーを掛け持ちし今までで一番大変だったけど、すべてをやり遂げ、高校卒業となり、調理師免許もとることができ、先生方から「ほんとうによく頑張ったね」といわれて、とても嬉しかったです。
今は私の将来の夢である小学校教員を目指して、敬愛大学で頑張りたいと思います。沢山のことを経験してきましたが、今はこの1つの目標に向かって努力します。

僕の中のハンドボール       S.I
日本ではハンドボールはマイナーなスポーツですがヨーロッパでは競技人口が2番目ととてもメジャーなスポーツです。私は中学校の時は陸上の長距離やサッカーをやっていました。そして高校に入学して初めてハンドボールに出逢いました。ハンドボールをやっている先輩の姿を見てハンドボールがとてもかっこよく見えたのです。私は現役中腰の骨や小指の骨を折ったり、腰椎分離症になったり、肉離れをしたりたくさん怪我をしました。しかし、それでもハンドボールが大好きだったので、部活を辞めずに続けました。そして2年生の新人戦の時はキャプテンを務め試合に出ました。初めての試合は緊張より楽しさが勝り、今でも鮮明に覚えています。T高校は地区大会では1敗しかせず、県大会の出場権を得ました。県大会の初戦は千葉県1位の昭和学院でしたが、圧倒的な力の差40ー6で負けました。私は悔しいよりもどうすればあんなに上手くなれるんだろうと、いい経験をしたなと思いました。そして、皆で朝早くや夜遅くまで練習するようになりました。3年生になると最後の千葉県総体に出ました。1回戦の相手は格上のチームでしたが、後半あきらめることなく必死に走り続け、最後は逆転勝ちしました。そして次の日の試合で負けてハンドボール部から引退しました。
私はハンドボール部で、あきらめないでがんばることを覚えました。一度大敗したことがよい経験を与えてくれたと思います。大人になってもどんな時も諦めないで頑張っていこうと思いました。

大学のゼミ -今年の敬愛2年ゼミ

大学には一般の講義科目とは別に、ゼミがある。ゼミは少人数で、教員との関係も親密になるようにされており、小中学校の学級(クラス)、高校のHRのようなものであり、大学生活の拠点(居場所)のよう期待されている。学生の褒賞や賞罰、問題行動が教授会で審議される時もゼミ名(指導教員の名前)が表示され、ゼミ教員の責任も問われる。
ゼミは、学生は自分の興味や好みから選ぶため、いろいろな講義を受講して、3年時から選択する場合が多いが、最近は、居場所づくりの為か、1年生や2年生でもゼミに属するようにしている大学が多い。
敬愛大学のこども学科の場合も、1年次からゼミ(演習)はあるが、期間は半年間で、ゼミの選択も学生にはできない(機会的に決められる)。2年生のゼミは、学生がゼミを選べるが、期間は半年間である。
私は今年、1年と2年のゼミ(演習)を担当しているが、どちらも半年間と短く、学生との関係も、中途半端で終わってしまった。
以前に、武蔵大学や上智大学に勤めていた時は、どちらも1年間のゼミ(武蔵は1年からゼミがあり、上智は3年からのゼミであった)で、コンパをしたり合宿をしたり、家に学生を招いたりで、学生との関係もかなり近かったと思う。
学生の側からすれば、世代の違う教員とかかわるのは、気を遣ったり、煩わしいことが多く、サークル活動や友人関係やアルバイトなどいろいろ忙しい中で、教員とのかかわりは最小限にしたいという気持ちもあるであろう。
ゼミがうまくいくかどうかは、そのときのメンバー構成によることも多い。私の場合、今年の2年生のゼミは、皆仲よく、小学校の訪問や、ゼミ室でのお茶会(コストコの大きなケーキを皆で食べた)、メンバーの誕生会、グループ発表など、なかなか充実したものになったという思いがある。
飲み物と紙コップをゼミの場に持ち込むと、紙コップには、ゼミメンバーの特徴が毎回違った内容で書かれる(写真参照)。足りないお菓子の配布はじゃんけんをしたり、ゼミを盛り上げる仕掛けを誰かが自然に考え出してくれた。グループ発表の内容は、それぞれ、PPを使っての発表で、メンバーの協力の後が見られ、どれも興味深いものであった。(テーマ;子どもとメディア、教師の多忙感、モンスターペアレント、大学のキャンパスライフ)。

最後の「大学のキャンパスライフ」に関する発表は、下記のパワーポイントの内容に見るように、大学生に関する文献と調査データを読み込み、自分達のキャンパスライフを吟味するよくできたものであった。各自の恋愛、結婚観を率直に(恥ずかしそうに)議論したり、ほほえましいしさも感じられた。

大学生のキャンパスライフ(

IMG_3329IMG_3335IMG_3343