啓蟄

今日は、啓蟄とのこと。季節の変わり目に、動植物の動向ではなく、花粉や自分の健康のことばかり気にしていては情けない。
今日の新聞には、下記のような記事があったが、そういえば、昔住んでいた市川市の家の近辺でも、カエルやヒバリ、ウグイスの鳴き声や、チョウチョウ、トンボをよく見かけたのに、近頃千葉市でめっきり見かけることがなくなった。また、そのことの自覚すらなくなっていることが恐ろしい。

<消えたトノサマガエル 生物の観測、都市化で休止相次ぐ
5日は暦の上の「啓蟄(けいちつ)」で、冬ごもりしていた虫たちが動き出す時期とされる。気象庁は1953年から、季節の移り変わりを動植物の様子でみる「生物季節観測」を続けているが、温暖化や都市化の影響で身近な生き物が見られなくなっている。
気象庁が全国規模で観測の対象としてきたのは、トノサマガエル、チョウや鳥といった生物が11種、サクラやタンポポなどの植物が12種類。生物は、気象台職員が初めて姿を見た日を「初見(しょけん)日」、初めて鳴き声を聞いた日を「初鳴(しょめい)日」、植物は花の「開花日」などを記録に残す。ところが近年、観測が休止に追い込まれる事例が相次いでいる。
「鳴き声さえ聞くことは少なくなっています」。千葉県銚子市の銚子地方気象台では、トノサマガエルが2011年以降は見られない。(中略) ホタルやヒグラシも休止に追い込まれている。(中略)東京・大手町の東京管区気象台では11年、6種の観測をやめ、ウグイス、ツバメ、シオカラトンボ、アブラゼミ、ヒグラシの5種類に絞った。ただ「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれるウグイスの鳴き声は00年を最後に確認できない。地方都市でも変化が見られ、広島地方気象台は13年以降、ヒバリの初鳴の記録がない。甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は13年が最後だ。(中略)
一方、植物の観測記録からは温暖化とみられる影響が顕著になりつつある。サクラの開花は53年以降、10年ごとに1日程度早くなり、カエデの紅葉は10年ごとに約3日の遅れがでている。生物季節観測に詳しい敬愛大学国際学部非常勤講師の松本太さん(環境学)は「地球温暖化が進んでいるうえ、気象台がある都市部では開発による環境変化やヒートアイランド現象で、生物が生息しにくい環境になっている」と分析している。 (朝日新聞、2月6日 朝刊より、一部転載)>

追記
 3月8日の今日は暖かく、大学に来る途中で、黄色い蝶(多分、モンキチョウ)が1匹飛んでいるのを見た。あわててカメラを取り出したが、すぐ飛んで行ってしまい撮れなかった。 千葉はまだ、野原があり、野の花が咲いているのであろう。

マスクについて

有名な教育学者の佐藤学氏が、「マスクの教室風景」という題で、子ども達が教室でマスクをする傾向が蔓延し、教育の場で「個々人が信頼と繋がりを喪失して孤立を深める」危険性を指摘している(『内外教育』2016年3月1日)。大学でもマスクをする学生は多い。
若い女性がマスクをする率は高いが、女性のマスクはじろじろ見られることを防ぐし、美人に見えるし、効用は高いように思う。一般には、インフルエンザ・風邪対や花粉症対策で、マスクをすることが多い。その為のマスクであるが、マスクをすると対社会や対人間の関係でも、楽だなと感じることができる。マスクをすると、外の人(他者)との間に薄い膜があるようで、人と距離を取れるし、緊張感が薄れ、気持ち的に楽になる。
ただ、逆にマスクをした人に対峙する側(マスクをされる側)からすると、自分に対して一歩距距離を置かれたようで、歯がゆい感じがある。マスクをする側とされる側で、感じ方がかなり違う。マスクをしてデートしているカップルを見かけることがあるが、ふたりはどんな関係なのであろうか。