学校社会学研究会の日程

毎年、夏に開催している「学校社会学研究会」は、今年は、下記で開催予定です。
発表してくださる方、お申込みください。 (宿泊希望の方も)

日時 8月28日(金)~29日(土)
場所 放送大学 セミナーハウス (千葉幕張)

幹事 岡崎友典(放送大学)  武内清(敬愛大学)

申し込み先  武内 清(fwne3137@mb.infoweb.ne.jp)

ワンコイン遠距離バス

遠距離のバスが、ワンコイン(500円)で乗れるものがあると、聞いてびっくり。
ネットで調べると、確かに、大阪⇔東京、名古屋⇔東京の深夜高速バスに、ワンコインで乗れれものがある。
http://vipliner.biz/project/2014_1coin/

どの程度の広がりがあるのか、わからないが、現代は、いろいろなものが、均一料金でなく、状況に応じて、料金が違うということが多々ある。
ペットボトルのお茶も、どこで買うかでまったく値段が違う。銀行のカードお金をおろすときも、どの銀行かや時間によって手数料が違う。飛行機の値段は、いつ航空券を買うかで、値段が違う。新幹線も、時間帯により、また買う切符により値段も違う。
いろいろ、努力した人が、得をする時代である。
教育関係でも、授業料免除や各種ディスカウントが多々ある。昨日、学会の理事会で、参加費を一律にとるべきという議論があったが、この時代的趨勢から考えると、均一ではなくてもいいように思えてくる。

事後報告のしつけ(習慣)

人は親から受けたしつけを自分の子どもにもしつけるのであろうか。親にされて嫌だったことは自分の子どもにはしないという人も多いので、しつけの継続性は必ずしもないかもしれない。ただ意識的には継続を拒否しても無意識に親のしつけ方を継続してしまう場合がある。
学校の教師の場合は、どうであろうか。担任の教師のやり方を教え子は真似してしまうのであろうか。これも反面教師ということもあり得るし、無意識に真似してしまうこともあるであろう。
大学教師の場合、自分の指導教授のやり方を真似してしまう場合が多いように思う。ただし、時代が変わっているので、自分の受けた指導やその方法は時代遅れて、今の学生や院生に通用しない場合も多い。
今、一つ思い出すのは、私の指導教授は、大学卒業後軍隊の経験が数年あった為、上からの命令の扱いに厳しかった。それは上からの命令は絶対というだけでなく、命令されたことを実行した後の事後報告をきちんとするということである(軍隊では、このようなことが必要だったのであろう)。事後報告しても先生はそっけない素振りしか示さないが、事後報告を怠ると、ひどく叱責され、機嫌が悪かった。
忙しい今の時代に、そのようなやり取りは必ずしも必要はないと思うが、(上の)人に何かを頼み、人がそれをやってくれたとしても、忙しさにかまけて、そのお礼を言わないことがあるように思う。したがって、軍隊的な事後報告のしつけ(習慣)は、現代人に必要かもしれないと思う時がある。

講義型よりアクティブ・ラーニング ?

 今日(14日)の敬愛の国際学部の1年生のゼミでは、『スタディスキルズ・トレーニング』(吉原、間淵、冨江、小針著、実業出版、2011)というすぐれた本の内容を一部紹介した。
 その8章の「シラバスを使いこなそう」、9章の「講義の上手な受け方を知ろう」を使って、大学1年生が大学の授業を受ける際のスキルのエッセンスを凝縮して、かなり力を入れて話した。
シラバス通りの授業かどうかは教員によって違うこと。大学教員の黒板の書き方は、ノートを取るようには書いていないこと。したがって、ノートの取り方はかなり注意すること。大学の単位は、演習や語学を除いて、授業時間と同じ時間分の自学(予習・復習)の時間が含まれること。高校までの(怠惰な)学習態度で大学生活を過ごすと、後で後悔することが大きいこと、などを話した。

 ところが、聞いている16名のゼミ生の反応はいまいち。感心して聞くでもなく、目を輝かせるでもなく、メモを取るでもなく、どちらかというと退屈で、眠そう。

 そこで、方向を転換して、このテキストの10ページの自己紹介メモを参考に自己紹介を書かせ、それをもって、3分ずつで、次々人を変え、自己紹介を1対1でやってもらった。(これは、昔上智大学の教育学科のオリエンテーションキャンプでよく行われたもので、私もそこに加わったことがあるが、かなりキツイゲームという印象があった。)
 すると、学生はがぜん活気づき、皆とても楽しそうに自己紹介ゲームに没頭し、新しい学友との会話を楽しんでくれた。ゼミが終わっても、立ち去り難いという雰囲気が教室に流れたほどである。
 今の大学で、講義型ではなくアクティブ・ラーニングが好ましいというのは、このようなことを言うのであろうか?少し複雑な気分。

「敬天愛人」―敬愛大学の建学の精神を考える

 敬愛大学は、地方都市の小規模(2学部、1学年の定員400名)な大学であまり知られていない大学だが、そろそろ創立50周年を迎える。
その大学の建学の理念が「敬天愛人」である。
この言葉は、西郷隆盛の言葉で、「天を敬い、人を愛す」という意味である。敬愛学園の創始者の長戸路政司が、ある講演でこの言葉に出会い、西郷隆盛の研究に没頭し、学園を創設するときの理念としたという。南原繁による「敬天愛人」の書も、学内に掲げられている。
 新敬愛読本編集委員会編『新敬愛読本』(エルビス、2015年4月)という本が刊行され、全教職員、全学生に配布された。
 明日(15日)の敬愛こども学科2年生のゼミでは、少しこの本の内容を、学生と議論しようと、下記のレジメを作った。(要約及び討論の内容は俗っぽくなってしまったが、、)

『新敬愛読本』から考える           武内 清

1 大学創設理念の意義―①創設者の教育への熱い思い ②偏差値や世間の評判以上の意味
2 西郷隆盛について- 聖人君子になろうと生涯修行し、誠をもって生きた。
3 敬天愛人- 天の愛を信じ、わが身を愛すると同じように人を愛しなさい。
① 天とはー 道は天地自然の物。天は他人も我も同一に愛し給う。ゆえ、我を愛する心を以て人を愛する。天は人を一様に愛し、何ら上下厚薄の区別を付けず、敵も味方もなく、善人も悪人も問わず皆一様に愛する偉大な愛。(悪人を愛するが悪そのものは罰する)
② 愛とはー思いやり、慈悲(仏教)、隣人愛(キリスト教)、日本的な真心(誠)、自分に厳しく、人に優しく。克己。
4 敬天愛人教育―人間を万物の霊長という名にふさわしいものに成長させていく力

 討論
①  大学への誇りや満足度は何から生まれるか
②  尊敬する歴史上人物、作家、有名人はいるか。
③  天とは何かー天と神、自然、社会との関係は?  
       天災、祟り、罰(ばち)、誰も見ていなくても神が見ている?
④  社会とは何か - 国家や制度、組織、集団との関係は
⑤  悪人を愛するが悪そのものは罰するとは?
⑥  自分に危害を加える人を愛することは可能か。