道徳教育について

先週は、道徳教育のことを、2つの大学の授業で話した(テキスト冨江英俊「道徳教育」、『子どもと学校』第3章)。道徳教育を特設の授業として行うことや教科とすることに、私は賛成という立場ではないが、教育基本法の改正や新学習指導要領の道徳教育についての箇所はプリントして学生に配り、その内容を説明した。
学生に小中で道徳教育を受けた経験を聞くと、「楽しかった」とか「有意義だった」とかという感想は少ないが、学習指導要領の文言を読ませると、「道徳教育は大切なものだということがわかりました」という意見が多くなる。少し批判的な説明をしても、素直な今の学生は、学習指導要領の「美辞麗句」に惹かれてしまう。それもよしとしよう。
道徳教育に詳しい小学校の先生と話していたら、道徳教育の研究者や現場では、道徳教育の教科化には、反対が多いという。意外だった。

今日、地元でバスに乗ったら、優先席に座り、塾の勉強をしている小学生がいた。彼には、教科の指導より、道徳の指導が必要ではないかと思った。
バスを降りて歩いていたら、前から来た見知らぬ小学生から「こんにちわ」と挨拶をされた。
どちらが、日本の子どもの平均に近いのであろうか。また、この違いに、道徳教育はからんでいるのであろうか。