男たちの「生きづらさ」

若手の教育社会学研究者の多賀太氏の近著『男子問題に時代―錯綜するジェンダーと教育のポリテイクス』(学文社、2016年)、外国のジェンダー研究の流れも的確に堅実に押さえ、自分の論を明確に展開している優れた著作だと思う。
現代の男性問題(男たちの生きづらさ)は、「女性が男性より優位になったからというよりも、男性支配の体制が再編されつつあるからだと考えた方がよいだろう。総体として男性の女性に対する優位は維持されながら、そうした男性支配体制の恩恵を受けられる立場から排除される男性が増えてきたということである」(同書、24ページ)という見方も、納得させられる。
朝日新聞の書評(7月17日)もその見方を評価しているように思う。

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