大学の遠隔(オンライン)授業について

8月5日朝日新聞は、大学のオンライン授業について、「これが授業と呼べるのか」「友達ゼロで夏休み」「オンライン授業 憤る学生」「メンタルケアも課題」という見出しで、オンライン授業が問題であるという論調で、記事を掲載している。また今週の週刊ダイヤモンドは、大学のオンライン授業の不備と学生のオンライン授業への悲鳴を特集している。(https://diamond.jp/articles/-/244872)

これを読むと、高い授業料を払いながら、いろいろな相談を大学の教職員にもできず、大学の施設を使えず、友人も作れず、サークル活動もなく、繋がりにくいズームの授業、教科書を読んで課題に答えなさいという手抜きの授業、課題ばかり多くて、提出してもコメントもない授業、訳の分からない実験の指示など、学生のストレスがかなり高まっていることがわかる。

しかし、大学や大学教職員も努力をして、オンラインでさまざまな工夫をしている事例も多いのではないか。私は、(質問付き)講義ノートと授業資料を15回分、大学の教務のサイト(KCN)で配信して、毎回200字~1000字の質問への解答を求め、それへのコメント返すだけのシンプルな方法をとっているが、学生の学びと解答(リアクション)は、例年の教室での講義以上によいものが得られている。それは、授業資料をいろいろ工夫したせいもあるが、活字や映像(you tube)は、教室で皆と一緒に読んだり見たりするよりは、一人で自分のペースで閲覧してもらった方が、理解が深まるように思う。教室での授業では、スマホをいじったり私語をしたり友人に気を遣い授業に集中できないことが多い。

高等教育に詳しいK氏より、次のようなコメントももらっている。「学生のオンライン授業負担増はわかるのですが、大学設置基準の通り、1単位について15時間の授業と2時間の予復習では、1週45時間では、1年で35週で30単位(7.5コマ)しか取れないはずですが、従来のように多数の履修登録をしているのではないかと思われます(アメリカの場合、週2回授業では、3から4科目しか取れません)。問題は教師の方で課題ばかり大量に出して、一切フィードバックがないなど、これまでの手抜きをオンラインで続けている者が少なくないようです。学生も教師もこれまでとは異なる授業形態であることを十分に認識せず、従来の授業の延長で考えていては、オンライン教育は質が低いということを立証することになります.」

私も、大学の遠隔(オンライン)授業に関して、短いコラムを書いた(下記添付参照)。大学の授業に関しては、考え方を変える必要があるように思う。