冬の花

寒くなり、季節の花も交代の時期。水仙やパンジー類がこれから主役。

DSC_0600

DSC_0597

DSC_0599

冬の花に関して、水沼文平さんより味わいの深いコメントをいただいた。御礼を申し上げたい。

冬の花を拝見しました。スイセンがもう咲いているのですね。私の故郷仙台ではスイセンの開花は4月になってからです。子どもの頃のことですが、春の彼岸に生花のないので、コシアブラなどの柔らかい木を菊花様に削り、赤、黄と着色した造花を代用していました。高度成長期に入った頃から生花のハウス栽培が増え、いったん姿を消しましたが、最近になって「けずりっぱな」(削り花)の復活を見かけるようなりました。
冬の植物の代表は赤い花や実です。ツバキやサザンカは、同じような赤い花をつけますが、ツバキは花ごと落ち、サザンカは花びらを散らします。その落花や散り様はまるで人の最期を思わせるものがあります。
ナンテンやボケも赤い実をつけます。最も印象に残っているのは、雪景色の中で最後に残った赤い柿の実です。11月下旬に柿をもぎ、「干し柿」(皮を剥いて干す)や「樽抜き」(焼酎をつけて密封し渋抜きをする)にしますが、カラスたちのために10個ほど残す習慣がありました。それがどういうわけか、雪景色の中で、梢に赤い柿の実がひとつだけ残ります。カラスも自然の恵みに敬意を表しているのでしょうか。
寒さが厳しくなってきました。散歩の時、真っ赤な花や実を見つけることを楽しみにしています。◇水沼文平