「風の便り」 55号、56号の掲載

私達は日頃、動物や植物、特に昆虫や雑草など「取るに足りない」もの(と思われているもの)に対して、どのような態度を取っているのであろうか。無関心あるいは冷酷な態度を取っているのではないか。

私は輪廻(=「霊魂が,人間,動物あるいは場合によっては植物などと,1つもしくはそれ以上の存在に次々に生れ代っていくとする思想」)を信じるものではないが、多少はそのようなこともあるかもしれないと思っている。

輪廻(転生)の思想を少しでも受け入れると、虫や雑草をむやみに抜いたり殺したりできなくなる。そのような虫や雑草にも大きく2種類がある。一つはハエや蚊や庭の雑草で、それらは人や庭の草花に危害を与えるので除去したり、殺したりしまうことが多い。それに対して、蝶やトンボやテントウムシやカタツムリは人に危害を加えないので、あたたかい気持ちで見守ることになる。道端の雑草も可愛い花を咲かせていることがある。その殺傷と見守りの中間に位置しているのが蟻である。蟻が庭の片隅に生息するのはいいが、家の中に入り込み甘いものに集まるようなら困る。この中間の存在の蟻に関する考察と写真が、今回の辻氏の「風の便り」55号である。蜘蛛を扱った56号、コガネムシ等を扱った57号も掲載する。