人への声のかけ方

私達は、都会化すればするほど、見知らぬ人に声をかけるのはしにくい。天声人語にも、その為、座席の倒しに関するトラブルが続出していると書かれていた(下記参照)。

<このごろ新幹線や飛行機、長距離バスで、前の乗客から「イスを倒していいですか」と声をかけられることが増えた。そのひと言で旅の気分はほんのり温まる。かと思うと無言でグワッと倒され、一気に冷える日もある▼外国の航空路線で少し前、座席の倒し方をめぐるトラブルが続いた。「急に倒されてスマホが割れた」「頼んでも戻してくれない」。後ろの客が前の客を殴って警察へ連行された。交通手段が高速化するにつれ、乗客の頭に血がのぼるスピードまで速まったのだろうか▼鹿児島交通で長距離バスを運転する村瀬芳尚さん(39)はもめないよう一計を案じた。走り出してすぐマイクで語りかける。「後ろの方が気になって席を倒しにくいってことありますよね。後腐れのないよういま一斉に倒しましょうか。はいドーン」▼効果はてきめん、乗客が苦笑いしつつこぞって倒しにかかる。運転手が言うなら気兼ねはいらない。さえた車内放送をツイッターで紹介した客がいて、評判は広がった▼乗務マニュアルに書かれていたわけではない。「倒す倒さないでもめると、終点の福岡まで6時間ずっと雰囲気が重くなります。僕が声かけ役を一手に引きうけようと考えました」▼座席倒しトラブルの多さに手を焼いた英航空業界には、全席を倒せないよう固定した社もある。だが乗る側の快適さでいえば、一斉ドーンの村瀬さん式のほうが格段に上だろう。費用はかからず警察沙汰にもならない。何より旅の気分が温かくなる。(「天声人語」5月29日より転載)

小さな子どもは、見知らぬ同世代にどのように声をかけ、一緒に遊ぶのであろうか。幼稚園や保育園で、子どもが遊び友達を探したり、遊び集団に入れてもらう方法を観察しそれを明らかにした研究がある(藤崎・武内編『子ども・青年の生活と発達』放送大学教育振興会、2006年、77頁)。 私も3歳半の男の子(Y)が、公園でどのように見知らぬ子と遊ぶようになるのかを観察することがある。

自分から声をかけるのであるが、拒否されると、いたく傷つき、しばらくは一人遊びを続ける。運よく、遊んでくれる友達が見つかると、うれしそうに一緒に駆け回る。公園だと、来る子どもが毎回代わり、遊び相手探しの苦労をいつもしなければならない。 昨日(29日)は、公園に自転車で行く途中で、チョウを上手に採っている4歳の女の子に見惚れていたら、一緒に遊んでくれて、Yにとってラッキーな日だった。小さい頃の人間関係の作り方が、大人になってからの人間関係の作り方に影響すると思う。

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