教育課程論 講義メモ(11月8日)

今日のテーマは、新学習指導要領に基づく授業の例やヒントということです。まず、前回の「ふるさとの4番」関係のことから、説明します。なぜふるさとを扱ったかですが、教育基本法の第2条の五に、「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うこと」という文言があり、これが、国語や社会や家庭科や音楽などの教科書に反映されているからです。このことを音楽の分野で皆さんにも「主体的に」考えてもらいたいと思いました。その内容をお互いに共有することが「対話的に」なると思います。皆さんの作った「ふるさとの4番」の 全員のものプリントしましたので、それを見てください下さい(下記添付)。それぞれよさがありますが、ゲーム感覚で2つ心打たれるものを選んでください。さらにこれを「深い学び」に結びつけるために、2つの補足をしたいと思います。

一つは、藤原新也が書いている東北の大震災、それから発生した原発事故との関係です。福島の人たちは、ふるさとを失っています。このふるさとを失うことと日本の国土を失いことのどちらが重大なことなのかという問題提起をしています。それを読んでか考えてください。当時神田外語大の学生が作った「ふるさとの4番」も見てください。その関連への言及があります(下記添付参照)。これの起草者の西島さんからは、国家(ネーション)とふるさと(カントリー)は違うというコメントをもらっています(前掲)。

もう一つは、これを教材にして、授業にするには、どうしたらいいのかということです。ふるさとの歌ではないのですが、数え歌をつくる教育実践があるので、それを紹介しておきます。これは、東書教育賞の昨年の小学校の部門で優秀賞を受賞した実践です。(添付参照)。これを例に考えてください。

今日は、「主体的で対話的、深い学び」になると、私が思った授業をyou tubeで見てもらいます。藤原新也「課外授業」(https://www.youtube.com/watch?v=O6xyn4Qv–A)です。その内容に関連するのですが、you tubeを見る前に、嫌いなものの絵を書いてください。その嫌いな理由も書いてください。関連したことを以前ブログに書きそれもコピーして配布しておきます(添付参照,再掲あり)


追記1 学生の書いたリアクションの1部は、下記(再掲)。

追記2 「ふるさとの4番」の投票結果。多い順

32番(10票)、3番、33番(8票)、19番(6票)、2番、14番(5票)、7番、17番、28番(4票)、8番、11番、16番、27番(3票)以下略。(投票数の多い歌詞を以下に掲載する)

32番 独り立ちしたいと 親とケンカした日も 今となれば 懐かしくて 家族恋しふるさと/3番 家を出ると おはよう すれ違えば こんにちは 夕焼け背中に ただいま いつもありがとう ふるさと/33番 ミッキーマウス 夢の国 あとはそうだね なんだろう そうだね なんだっけ そうだね そうだ! あれだ あればょー/19番 過去の町は 消え去り 勤め人は 外人 時の流れは 無愛想に移り変わる ふるさと/2番 歴史古い 街並み 休日は観光客 他に何もないけれど ステキな町 ふるさと/14番 韓流の引き金 新大久保 好きだった飯屋が また閉店 そして今では タピオカ屋が並び 流行に染まる ふるさと/7番 日本で一番古い町 アウトレットもできたよ おじいちゃん おばあちゃん いっぱいいるよ 大好きだな ふるさと/17番 電子レンジ 押すだけ 冷めたごはん あたたかい 電気ポット あったかい ルンバルンバ ふるさと/28番 駅はうるさい 朝から じいちゃん酒を 飲んでる 若者は タバコポイ捨て 私の地元 治安が悪い

授業の記録(敬愛大学教育こども学科1年生、教育課程論)

2019年 教育課程論第6回 (11月1日) 「地域の実態 学校と地域との連携」

1 第4回、第5回のリアクションを読んでの感想 2地域の実態、学校と地域との連携(p21、125)の箇所の要点を書き出しなさい。3学校と地域の協働の4タイプをあげなさい(プリント「地域協働型学校」参照)4あなたにとって、生まれ育った地域やふるさとはどのような場ですか。5唱歌「ふるさと」の4番を作りなさい(新聞記事「ふるさと」続く風景は)参照)6他の人のコメントをもらう

2019年 教育課程論第7回 (11月8日) 「主体的で対話的、深い学び」の例

1 「ふるさとの4番」の人気投票-優秀賞を2つ挙げなさい 2「ふるさと」をテーマにした教科横断的な授業を考えてください(例を参照) 3(現代的話題)「身の丈にあった」(生活や努力)について、どう思いますか(新聞記事参照) 4(写真を撮ったと思い)嫌いなものの絵を書いてください。その嫌いな理由も書いてください。5藤原新也「課外授業」(https://www.youtube.com/watch?v=O6xyn4Qv–A) を見た感想 6他の人のコメントをもらう

「身の丈」について

今日の朝日新聞朝刊(11月6日 朝刊、耕論)には、文部科学大臣の「身の丈」発言をめぐって、3名の研究者(竹内洋、斎藤孝、松岡亮二)がコメントしている。今の大学生はこの「身の丈」について、どのように考えているのであろうか。今週の授業で尋ねてみたい(下記のような議論の整理を提示して)

1 文部科学大臣の「身の丈」発言によって(別の要因もあるが)、来年の大学入試に英語の民間試験を使うことが延期された。「身の丈」にあった生活や努力をすることをどう考えたらよいか。2「身の丈」の逆は、自分の身分や能力を考えずに、上(「立身出世」)を目指すこと。このようなことが可能で、それが強く奨励された時代があった(明治初期、戦後最初、バブル期)。今は低成長期で、「身の丈」にあったキャリアが奨励される時代。また東日本大震災で身の回りのものを大切にしようという意識が生まれている。3 自分の置かれた身分(家庭環境や地域)と自分の能力は別で、前者の「身の丈」奨励は教育の機会均等に反する。後者の「身の丈」推奨はある程度肯定できるが、それが個人の努力にブレーキをかけることになってはならない。4 「身の丈」にあった生活は皆多かれ少なかれ送っている。自分の経済状況に合わせた家に住み、自動車や家電を購入し、旅行に行き、食費や衣料費も教育費も決めている。ただ「1点豪華主義」ということもあり、各自によって何にお金をかけるかはまちまちである。「身の丈」にあった生活は自分や家族が決めることであり、他人や政府から言われることではない。

紅葉を見に行く

今年は夏が暑く、秋になっても10月に大きな台風が2つも関東に上陸し、風や雨の大きな被害を各地にもたらしたので、紅葉どころではないというのが正直なところであろう。しかし逆にそのような時だからこそ、自然の恵みの紅葉を見に行きたいと思う。例年だと11月に入るともう紅葉は終わっているところが多いが、今年は気候の異変で今、紅葉の見頃になっているところも多い。

11月3日~4日の連休に、谷川岳の紅葉を見に行った。ロープウエイに乗らずに谷川岳ロープウエイ駅から1の倉沢まで歩き(50分)、その道と向かいの山の斜面の紅葉、下の谷(沢)の葉の色づきがきれいで、心が洗われた。水上高原プリンスホテルの11階でランチを食べたが、雰囲気も味もよく、ここからの眺めもゴルフ場の緑と山の紅葉がマッチして感動した。帰りに寄った宝川温泉に行く道沿いの紅葉も絶品。苗場や榛名湖にも足を延ばし、三国峠の紅葉や榛名神社の素朴さにも心打たれ、1泊2日のせわしない旅ながら、2箇所の温泉に入り、自然の恵み=紅葉を見ることができた幸運を感謝した。(下記の写真は一の倉沢の紅葉)

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