講義メモ(11月9日 敬愛大学「教育課程論」第6回)

まず前回のリアクションのまとめから見てください。
どんな分野の学問に興味があるかという質問(2)に、心理学27人、教育学22人が圧倒的に多くいました。大学で心理学のいい授業があるのかなと思いました。ただ皆さんが心理学と思っていることは実は社会学や社会心理学であることが多いのですが、いつかその説明もしたいと思います。(人類学が10名もいたのは意外で、これは誤解されているのかもしれないと思いました。)
次に「これまでに好きな教科は何でしょう」(3)の集計を見てください。数字を横だけではなく、縦にも見てください。縦は個人的には動いているかもしれませんが全体ではあまり動いていません。
教員志望の皆さんは文系で、算数・数学や理科は苦手な人が多いのかと思いましたが、そうではなく安心しました。数学や理科の苦手の人が小学校の教員になると子ども達もその科目が苦手になり、日本の科学技術の将来が危ぶまれるからです。
「教科が好きになる理由」(4)には、成績、先生、興味,楽しさ、得意、生活との関連などがあがています。
「教科に興味を持たせるには」(5)は、楽しさ、体験、生活 ゲームなどが多くあがっています。

 「好きな音楽の歌詞(キーフレーズ)」を書いて下さい(7)は、皆それぞれ心に残っている歌詞の一節を書いてくれましたので、それを全部、掲載しました。
 その内容を分類するのは難しいのですが、あえて分類すると、①恋愛 ②明日への挑戦・努力 の2つが多く、その他はいろいろでした(友情、過去、理解されない哀しみ等)。
 歌の歌詞が、現在志向なのか未来志向なのか(時間軸)、自分志向なのか他者・社会志向なのか(空間軸)といったような社会学的な分析軸で考察できないかと思いましたが、多少そのような分析はできても、皆さんが心打たれた微妙なフレーズは分類できないと感じました。
 音楽の歌詞の分析を通して、教育内容の分析に迫ろうと試みましたが、成功したとは言えません。「自分たちに好きな歌の歌詞を書かせて何をしたいのだろうか?」という戸惑いが皆さんに感じさせてしまったのかもしれません。講義で説明した溝上さんのアクティブ ラーニングの「インサイド・アウト」を、皆さんの心に残っている歌の歌詞の分析からめざしたのですが、必ずしもうまくいきませんでした。ただ、新しい挑戦をご理解下さい。

 今日は、「ジェンダーと教育」というテーマで、下記のような流れで、講義を行います。(配布資料参照のこと)

教育課程論(第6回)リアクション   2018年 11月9日        
              番号      名前
テーマ ジェンダーと教育 (テキスト「教育の基礎と展開」第9章参照)
1 前回のリアクションを読んでの感想 、一番心に残った歌詞のフレーズは?
2 「山口百恵の軌跡」(青い性→新しい女→日本の母)をどう思いますか。(小倉千加子『松田聖子論』1985参照)
3 「学校におけるジェンダー」(谷田川ルミ)が指摘している点をまとめなさい。 
4 「セックスとジェンダーのずれ」(上野千鶴子)の要点をまとめなさい。
5 テレビコマーシャルで、男性と女性の役割は、どのように描かれることが多いか)(上野千鶴子「セクシギャルの大研究」&「CM家事をする主役は男性に」朝日新聞10月11日夕刊参照)
)6、 今の日本の社会で男と女でどちらが、不利(生きずらい)でしょうか(多賀太「男子をめぐる問題」参照)
7  あなたが教師になったら、「男らしさ」「女らしさ」や、「性別役割分業」に関して、どのように子ども達に教えますか
8  他の人のコメントをもらう
(昨年の授業に同じ資料がいくつかある。2017年11月24日のブログ参照)

追記 実際の授業もだいたいこの講義メモ通り行った。学生諸君は私の話をよく聞き、配布資料(A3、5枚)にも目を通し、ポイントを理解してくれたことがリアクションからわかる

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