性別役割分業意識の今

子どもを産んで仕事を辞め家事と育児に専念する妻に、夫が「私も家事と育児を手伝う」と言ったのに対して、妻が切れて怒り、「男と女(夫と妻)は対等(平等)ではないの、家事と育児は女(妻)のやるべきものという考えに基づいたあなたの『手伝う』という発言にむかつく」というようなことがたくさん書かれている韓国の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』が、韓国でベストセラーになっていて、それが日本語に翻訳され、日本の女性の中にも共感して読む人が多い、という内容の放送が、NHKの朝の番組であった。            
ジェンダーの平等とか男女共同参画という趣旨の報道だと思うが、少し古い感じがした。

 昔上智大学の教育学科の男子学生に将来の夢を聞いたところ、「子どもが好きなので、家庭で子育てができる専業主夫になりたい」と本気で答える男子学生がクラスで2~3人はいた。                       最近も、大企業で働くエリートサラリーマンで、生まれたばかりの自分の子どもと過ごす時間が至福の時と感じ、「いつも子どもといられる専業主婦のあなた(妻)はずるい、あと何年かしたら、私が家事と育児をするから、その時はあなたが働いてほしい」と夫から言われた女性がいるという話を聞いた。                                                   仕事と家事・育児のどちらがやりたいことなのかは、性別によらず個人で違うのが今(近代以降)の傾向なのではないか。