弱者とのかかわり(その2)-水沼文平さんからのコメント

「弱者とのかかわり―何もできない後ろめたさ」を拝見しました。認知症のおばあさん、虐待を受けた(?)仔猫、10年前のキャバリヤ犬のことに強い共感を覚えました。
世の中には障害者(身体・知的・精神)、高齢者、子どもなど社会的に弱い立場の人がいます。このような人が困っている時に何かして上げたり、何もできなかったりします。大事なことは、困っている人に何かしてあげたいという「思いやりの気持ち」と何もしてあげられなかったという「後悔の念」を持つこと、その懐いた気持ちを忘れずにいることだと思います。

友人達とグループネットで情報を交換しています。A君からのメールです。「〇駅か
らバスに乗車し、降車までの途中に精神障害児が通う施設があり、時々その生徒が乗
車して来ます。大声で奇声をあげて話し出したり、突然歌を歌ったりする事に遭遇し
ます。車内の雰囲気を観察していると、穏やかな雰囲気で児童を見守る人もいれば、
煩そうに冷たい目線で傲慢な態度を取る老人もいて様々な光景に出会します。先日
は、なんと運転手が大声で児童に注意したので、私はその運転手に公衆の面前で注意
しました。」

B君からのメールです。「知的障害者の親として一言。A君、運転手への注意有難う
ございます。知的障害者の特性としてさまざまな行為があり、その特性を一般の人々
に理解してもらうのが難しい状況にあり、障害者の親の団体として「知的障害者への
理解」を毎年の活動目標としています。多くの人に理解してもらえたら、親も安心し
てあの世にいけると思っています。A君にこのような行動をとっていただき感謝して
います。」

このようなことに関連するものとして、今週新聞で見た三つのことに触れたいと思い
ます。一つ目は、戦時中の韓国人の徴用を巡り、韓国の最高裁判所が30日、日本企業
に賠償を命じたこと、二つ目は東京電力が事故を起こした福島第一原子力発電所の写
真に、工場の鑑賞を楽しむという意味の「♯工場萌え」というハッシュタグを付けて
インスタグラムなどに投稿したこと、三つ目はまたもや東京電力ですが、東電強制起
訴公判で勝俣元会長が「津波危険性に関する報告はなかった」と証言したことです。

韓国に対する戦後賠償は終わっていますが、植民地化され言葉と名前を奪われ、もろ
もろに酷い目にあった韓国人の「恨み」という感情は消えていません。今回の判決に
対して日本政府は反発していますが、お金で全てが解決すると思ったら大間違いで、
日本が戦前・戦中に近隣諸国で行った蛮行を率直に反省し、被害者の身になって真剣
に考え、そのことを相手に伝える努力が必要です。大戦後ドイツの近隣諸国に対する
物心両面での謝罪に学ぶべきことが多いと思います。東京電力に関しては「♯工場萌
え」と、大きな津波を何度も経験している日本では考えられない勝俣元会長の証言は
「厚顔・無神経」という意味では同一レベルのものです。

先日自転車で田舎道を走っていたら車に挽かれた猫の死骸が横たわっていました。何
台も車が通りますが皆な大回りで避けていきます。私は尻尾をつかんで近くにあった
ゴミ集積所に置いてきました。世の中のために何もできませんが、これまで生かして
もらった恩返しに、これぐらいのことはやっていきたいと思っています。
(ペットの火葬場まで持っていくという気持ちまでは持てませんでした。「情けは人のためならず」修行不足ですね。反省しています。)(水沼文平)