アクティブ・ラ-ニング批判

今、アクティブ・ラ-ニングの重要さが言われ、その実践が模索されている。それ自体はいいことだと思うが、あまりの行き過ぎには注意しなくてはならないと思う。

1月16日のNHKの「探検バクモン」(爆笑問題他出演)が、「日比谷高校 生きる力の授業」という番組を放映して、数学の授業で生徒が問題を解きそれに他の生徒が意見を言い、教師はほとんど口を挟まないという授業や、3年生が受験勉強よりクラス全体で演劇に打ち込む様子が放映され、それが今のアクティブ・ラーニングの模範のように紹介されていたが、それは少し違うと感じた。教師が教えなくては肝心なことがスルーされてしまうし、演劇をして試験や受験の点数が上がるわけではない。よほど優秀な生徒や家庭や予備校での学習のしっかりされている生徒にとって、それでもいいかもしれないが、普通の生徒にとって、そのような生徒(の興味)本位の授業では、基礎学力が身につかず、受験もおぼつかないのではないか。(注)

オーストラリアの教育学者が、今欧米や豪州で一般的な児童中心のinquiry learningの教育方法を批判し、中国での伝統的な教師主導のdirect instructionの方法が、国際学力テストの点数も高く、優れている面を指摘している。生徒を誉め自尊心を高める教育や生徒一人一人に合った教育方法が有効だという考えも根拠のないことを指摘していて、興味深い。
児童中心のinquiry learninが問題があるというけではないが、低学年では基礎をきちんと教え暗記させることも必要という意見には、納得させられる(一部転載)

Seventy teachers from the United Kingdom were sent to Shanghai to study classroom methods to investigate why Chinese students perform so well. Upon their return, the teachers reported that much of China’s success came from teaching methods that the West has been moving away from for the past 40 years.The Chinese favor a “chalk and talk” approach, whereas countries such as the U.K., U.S., Australia and New Zealand have been moving away from this direct form of teaching to a more collaborative form of learning where students take greater control.      Debates about direct instruction vs. inquiry learning have been ongoing for many years. Enthusiasm for discovery learning is not supported by research evidence, which broadly favours direct instruction.Especially during the early primary school years in areas like English and mathematics, teachers need to be explicit about what they teach and make better use of whole-class teaching. Initial instruction when dealing with new information should be explicit and direct.The U.K. report suggests that even when sitting and listening, children are internalizing what is being taught. Learning can occur whether they are “active” or “passive.” the U.K. report and other research suggests that memorization and rote learning are important classroom trategies, which all teachers should be familiar with.

(By Kevin Donnelly 、Australian Catholic U. 2014)(上記は卒業生のI氏より教えていただいた。2019 関西大(2/3)https://www.washingtonpost.com/posteverything/wp/2014/11/25/

注 I氏からも次のようなコメントが寄せられている。<日比谷高校の探検バクモンは私も見ましたし、正直感心しなかったですね。 普通の教科書・大学入試的な数学の問題を、生徒が解説するのは creativity も何もなく、単に先生が楽をしているだけ。問題もとっちらかるし、効率も悪い。能力別にはっきりクラス分けした方がよほど有用。 英語ディベートの inequality は重要か、みたいトピックもあまりに無理がある>                        都立日比谷高校(府立1中)の自由な伝統の校風が優れた卒業生を多数輩出したことは間違いない。夏目漱石、谷崎潤一郎、小林秀雄、江藤淳、丸山真男、古井由吉、内田樹 町村信孝 など。私は日比谷をはじめとする都立の自由な校風を大切にしてもらいたいと思うが、ここで紹介された方法は、それとは無縁である。

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