「高校教員の教育観とこれからの高校教育」中央教育研究所、研究報告NO92

2年ぐらい研究仲間と議論して調査をして原稿を書いた報告書が、最近刊行された。(報告書は中央教育研究所のHPからもダウンロードできる www.chu-ken.jp/pdf/kanko92.pdf)
 全国の高校の先生方の教育観を聞いたもので、報告書のページ数が223頁と厚いものになった。
多忙な高校の先生方が面倒なアンケートに丁寧に答えていただいたもので、我々もそのデータを丁寧に読み込んだ。
「あとがき」には、次のように書いた。

 教育の世界は、とかく崇高な理想や理念を掲げ、それに合わない現実を非難しがちである。
 そのような規範的方法が無意味なわけではないが、教育の現実の無視は、教育政策や教育改革の有効性を損なっている。
 私たちのプロジェクトは、今回文部科学省の教育改革や学習指導要領の改訂がターゲットにしている高等学校に勤務する高校教師の現実にスッポトライトを当てた。
 具体的には、全国の普通科のある高校から約11分の1の学校を選び、各学校7名の先生方にアンケート調査をお願いした。 
全国の764名の先生方から回答をいただいた。回収率は31.2%で、郵送法にしては高い数値である。
その内容は、教師の属性から、学校の特質、生徒の特質、教科指導、部活動指導、進路指導、教育改革観と多岐に及んでいる。
 教育の成果は、教育現場で生徒に直接向き合う教師の教育実践に依拠してといって、間違いないであろう。高校教師たちがどのような教育観をもち、どのような教育をしているかの現実を、客観的・実証的に捉えることは、これからの高校教育のあり方を考える上で、きわめて重要である。 
 高校の教師たちが、文科省の教育改革や学習指導要領の改訂に対しての関心やそれへのコミットメントは概して低いことが明らかになった。ただ、その中でも、管理職や超進学校の教師が新しい改革の関心は高いことも示された。
 高校の教師は、小中学の教師とは違い、担当教科への専門意識は強く、学習指導要領への関心も、全体の改革の方向の書かれた総則ではなく、自分の教科の領域に限られている。また、長年教えてきた自分の教科の教育内容や教育方法に自負を持っており、上からの改革をやり過ごすすべ(戦略)も身に付けている。
 本報告の各章では、高校教師から得られた回答をさまざまな視点から分析している。
最初に概要を付けたので全体像をそこで掴んでほしい。コラムでは現場教師の声も掲載した。資料編には、調査票見本、クロス集計、自由記述も掲載したので活用いただければと思う。
末筆になるが、本調査にご協力いただいた先生方に心より御礼申しあげる。本報告が今後の高校教育改革に役立つことを願っている。

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